私とカートゥーンと鈴と。: アンツ Antz

アンツ Antz

アンツ Antz
(米) 1998 (PG) [G]84/100


監督 エリック・ダーネル、ティム・ジョンソン
脚本 トッド・アルコット、クリス・ワイツ、ポール・ワイツ
製作 ペニー・フィンケルマン・コックス、サンドラ・ラビンス、カール・ローゼンダール
製作総指揮 ブラッド・ルイス、アーロン・ワーナー、パティ・ウートン
音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ、ジョン・パウエル
編集 スタン・ウェブ

 90年代のディズニー第二の黄金期を築き上げた男がいた、その名はジェフリー・カッツェンバーグ(略してJ.K)。彼は美女と野獣やアラジン、ライオンキングなど、大衆が望むディズニー像にふさわしい作品をこの世に輩出し、ディズニー社を倒産寸前の状態からメディアの王様にまで成長させたのである。しかし、悲劇が訪れた。ライオンキング公開後に起きたポスト争いに破れた彼は、ディズニー社から追放されてしまったのだ。それでも、彼は挫けずに立ち上がり、独自の映画会社を創設したのだ。それがドリームワークスである。
 今回は、そんなドリームワークスが送るディズニーへの私念が詰まった第一作。




背景
 ドリームワークスは90年代後半から6大メジャーを中心に始まった所謂"アニメブーム"←(いつか解説記事書きます。)に乗った会社の一つでした。そんな中、カッツェンバーグ氏は考えました。どうすれば、ディズニーと差別化して打ち勝つことが出来るのかと。

 その結果導き出されたのは、
◯ミュージカルやありきたりな童話は描かない
◯子供達にも楽しめる"大人向け"の作品を作っていく
という方針でした。そんな考えが良くも悪くも反映されたのがこの作品です。また、ピクサー映画のバグズ・ライフによく似ていると言われますが、それは当然。なんせ"意図的に"そうさせたのだから。

 ピクサー出身のジョン・ラセター(JR)はトイ・ストーリー製作時から仲が良かったと言われています。そして、ディズニー社を追い出されてからもJ.Kは、ピクサーまで赴いて頻繁に彼に会いに行っていました。そんな中彼は、当時はディズニーと提携を結んでいたピクサーの次回作の情報を、JRから興味津々に聞いていました。そこから、ジョン・ラセターは"蟻"の作品"Bugs(仮題)"を製作することを知り、ディズニーと真っ向から勝負する狙いで、蟻を題材した作品を製作することを決めたのです。

予告編



ストーリー
 働きアリとして生まれた運命に疑問を抱くZは、バーにお忍びでやって来た王女バーラにひと目惚れ。彼女に会いたい一心で、兵士アリの親友ウィーバーと入れ替わり、歓兵式に出席する。そのまま白アリ軍団との戦争に駆り出されたZは、なぜか戦場でただひとり生き残り、英雄として迎えられる。が、働きアリの身分がバレてしまい、成り行きでバーラをさらって逃走することに。その追跡を部下に命じるマンディブル将軍。独裁国家設立の野望を持つ彼は、女王を殺してクーデターを起こす機会を狙っていた……。(alicimemaから引用)


感想
 面白い。ストーリー、演技だけでいうなら圧倒的にバグズ・ライフよりも面白い。
最近の研究では怠けたり、働かない蟻が多いらしいけど、それでもアリ社会を縦社会に見立てているのは独創的。"社会では個人の意志は尊重されない"といったコンセプトや、主人公の蟻"Z"が発する「僕らが国なのに!」といった台詞は、年功序列で爺婆だらけの日本の現代社会に訴えかけているように感じました。ただ、アリ社会から抜け出した主人公が、最終的にアリ社会の根底を変えてしまったのは違和感があったかな。

 日本語吹替版でも安定した演技ですが、この映画に関しては英語字幕版の方をおすすめします。演じている俳優に顔を似せているためどのキャラクターも役にはまっています。
おどおどした主人公,Zを演じるはウディ・アレン
女王の娘,バーラを演じるはシャロ ン・ストーン、
軍隊アリの大親友,ウィーバーにはシルベスタ・スタローン などなど

 また、映像も音楽もいい。

最新技術を惜しみなく投じるもののデフォルメを重視しているピクサーとは違い、ドリームワークスは不気味の谷のギリギリまでキャラクターを近づけつつ、迫力ある映像を作り上げています。ピクサーは当時、バグズ・ライフで画面にアリを431匹まで表示させたことを豪語していましたが、ドリームワークスは軍隊アリの行進シーンで画面に6万匹まで表示させました。また、水の表現も98年ということを考えると圧巻です。 


 音楽に至っては、今現在でもTV番組など頻繁に使われるBGMとして有名。
下の2つは、この映画を知らない方でも聞き覚えのあるはず。

 

 始めは、キャラクターの造形がバグズ・ライフに比べて気持ち悪かったですが、本編の重苦しい内容を観るとむしろこのデザインで良かったと感じられました。

 

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