私とカートゥーンと鈴と。: 快適な生活 Creature Comforts

快適な生活 Creature Comforts

快適な生活 Creature Comforts 
1991,2003-2007 (英)  93/100
監督 ニック・パーク(91年版)、リチャード・ゴルゾワスキー(TVアニメ版)
本編
  

 ウォレスとグルミットで有名なニック・パーク氏主導で、1989年に製作された短編アニメが原作。動物たちの意見や悩み、愚痴などを口パク(リップシンク)で話させるというアイデアが評価され、1991年のアカデミー短編アニメーション賞を受賞。本作は、そんな作品のTVアニメ版。一般の方々に様々な話題を振り、その反応を録音したものから映像を構成している。そのため、これいった物語は存在しない。

 哺乳類・爬虫類・両生類等の動物たちの生きた表情、粘土(実質的には違うけど)による画一化された肌と毛並みの質感、息継ぎや背景に映るキャラのちょっとした細かい動きなど、機械的なコマ撮りのイメージを払拭する素晴らしい出来栄え。本編に出てくる動物と自分を照らし合わせて楽しむのもいいかも。 (ソファでくつろぐ犬猫、気さくな蛞蝓達、飼い主に誠実な犬、肥満体のハムスター等....)

 


 特にお勧めの動物は競馬場の競走馬と現実主義のミミズ。馬の方は言いたいことをとにかく喋りまくるのだが、レースが開始する度に会話が途切れてしまう。ミミズの方は、毎回インタビューの途中で母親に邪魔されてしまう。こういった具合に、会話の状況を上手く動物に当てはめている。また、どんな動物でも試行錯誤の跡が見て取れるのもいい。

 口パクを重視する作品が故に吹替版を敬遠しそうになるが、吹替版でも十分面白い。ローカルネタや英国特有の文化も自然にローカライズされているし、原語版には無かった"演技"が加えられているので良い。というのも、原語版では英国中の住民の実際の取材音声を引用しているため、本家では"リアリティ"が重要視されている。逆に、日本語版ではリアリティに加えて、会話にできるだけオチを付け加えているように感じられるからだ。 

 唯一、残念なのは視聴困難だということ。アニプレックスから発売されたDVD-BOXは気軽に手を出せる価格ではない。また、ケーブル局での再放送も数年前からなくなっている。個人的な憶測だが、この原因は『ひつじのショーン』と『ウォレスとグルミット』以外のアードマンの作品群の権利云々が宙ぶらりんの状態であるからだと伺える。または、単純に採算が見込めないだけだろう。でなければ、わざわざ公式サイトの紹介ページで記述したり、アードマン展で本作の模型を展示するわけがないのだから。

英語版はYoutubeの公式チャンネルから視聴可能。

 

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