私とカートゥーンと鈴と。: オリビアちゃんの大冒険 The Great Mouse Detective

オリビアちゃんの大冒険 The Great Mouse Detective

オリビアちゃんの大冒険Great Mouse Detective
1988 (米) 55/100
 80年代中期のディズニーカンパニーは創業以来最悪の状態だった。15年のも歳月をかけた一大巨編『コルドロン』がTVアニメの劇場版『トランスフォーマー・ザ・ムービー』『アメリカ物語』に興行成績で惨敗し、長編部門でも赤字経営。そんな危機的状況下でテコ入れとしてやってきたのは、二人の男。後にドリームワークスを創設する映画プロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグ。そして、パラマウント映画でメガヒット作を立て続けに製作した敏腕実業家のマイケル・アイズナー

 この二人を中心とした管理体制で誕生した最初の長編アニメーションが本作。

監督 バーニー・マッティンソン、ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ、デイヴ・ミッチェナー
脚本 ロン・クレメンツ、バーニー・マッティンソン、デイヴ・ミッチェナー、ジョン・マスカー、ピーター・ヤング、ヴァンス・ゲリー、スティーヴ・ヒューレット、ブルース・M・モリス、マシュー・オキャラハン、メルヴィン・ショウ
製作 フランク・ウェルズ
製作総指揮 マイケル・アイズナー
音楽 ヘンリー・マンシーニ
予告編

ストーリー
 機械づくりの才能を持つ父が義足のコウモリに誘拐された。その娘のオリビアはドーソン医師に連れられ、名探偵のバジルに助けを求める。始めは協力を拒んでいたものの、その事件の背後に宿敵のドブネズミ・ラティガン教授がいると気づき、事件の真相を追求するのだが.....




背景&感想
 原作はイブ・タイタス氏の執筆した『ネズミの国のシャーロック・ホームズ』。登場人物を引用しただけで物語は全くの別物。人間のシャーロック・ホームズのネズミ版という発想の根幹は、『ビアンカの大冒険』の製作途中に浮かんだもの。当初はディズニー側がイブ・タイタス氏に製作中の作品に沿った原作を執筆するように依頼していたとか。

 本作も従来の(7,80年代の長編)のような構成で製作が進行していたものの、上記の重役の主導で大きな変化が齎されることとなる。彼らはストーリー展開が遅いことに苦情を申し立てたことで、作画作業に入る前に脚本の書き直しを命じたのだ。

 こうしたことが本作の質を向上させたのは間違いない。なぜなら、それ以前のディズニー作品群と比較しても、本作が最も簡潔で円滑に物語が展開していくのだから。過去の作品によく見られた、目的地までの旅路で大半を占めるものや、見せ場に差し掛かる前に映像面で退屈する現象が、減少していったのは言うまでもない。


 この作品の見所は何と言っても悪役。

 悪役であるラティガン教授↑は、猫をペットとして飼う残忍な鼠である。少しでも怒りが貯まるとそれを発散させまいと必死に押さえ込んだり、口調と言動を一致させないところはかなり魅力的。そして、体が不自由な部下のコウモリの小者感もまた彼の外道っぷりをより一層惹きたてている。終盤で"汚れたドブネズミ"だと周囲に印象づける彼の風貌は、強靭な野獣そのもの。

 終盤の時計塔での戦闘は、宮﨑駿氏の『ルパン三世 カリオストロの城』のパクリだと噂されているが、個人的にはそれほど気にすることはなかった。数年後の『ライオンキング』に比べればね...
 幼きヒロインを必死に庇いつつ、大量の歯車を駆け抜けるクライマックスのシーンのCGは一見の価値あり。

 逆に嫌いだったのは邦題とパッケージデザイン。主人公はバジルであり、題名にあるオリビアちゃんは何の活躍もしない。悪党に捕まり、それといった活躍もなく、ラスト付近でラスボスに対峙する噛ませ犬になのに
"オリビアちゃん"の大冒険はないだろ.....
せめて、"名探偵バジル"とか探偵ものらしい題名をつけろよ.....


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