私とカートゥーンと鈴と。: KUBO クボ-二本の弦の秘密

KUBO クボ-二本の弦の秘密

KUBO クボ-二本の弦の秘密
KUBO and the two strings
2016 (米) 58/100 ライカの社長さんの趣味全開の一作

監督 トラヴィス・ナイト
脚本 マーク・ヘイムズ、クリス・バトラー
原案 シャノン・ティンドル、マーク・ヘイムズ
製作 トラヴィス・ナイト、アリアンヌ・サットナー
出演者 シャーリーズ・セロン、アート・パーキンソン、レイフ・ファインズ、ルーニー・マーラ、ジョージ・タケイ、マシュー・マコノヒー
音楽 ダリオ・マリアネッリ
編集 クリストファー・マーリー

 字幕版・吹替版両方鑑賞、中世の日本(鎌倉か室町辺りかな?)を舞台にしたコマ撮りアニメ。この作品の情報を知った頃は、"TENGAMI"の豪華版のようなものを想像していたのですが、実際は全然違いました。

予告編
 

ストーリー
  魔法の三味線と折り紙を操る片目の少年クボは、体の弱い母と2人で静かに暮らしていた。不吉な子どもとして一族から命をねらわれていたクボは、ある時、邪悪な伯母たちに見つかってしまうが、母親が最後の力を振り絞って放った魔法によって助けられる。たった1人残されたクボは、母の力によって命を吹き込まれたサルとともに、母が最後に言い残した「3つの武具」を探し、自身の出自の秘密に迫る旅に出る。旅の途中で記憶を失ったクワガタの侍も仲間に加わり、一行は数々の困難を乗り越えて武具を見つけていくが……。
(映画.com引用)




感想
 参った参った。アメリカ人が好きそうな変なNINJAやSamuraiも出ない中世の日本を観れるとは思わなかった。登場人物である人形たちはラフ画やストーリーボードでは、ディズニーのムーランっぽいですが、人形だとそうした違和感はまずありません。

 囲碁を打つ部分や、一粒もこぼさずに米粒を拾い上げる描写、灯籠を流すところなど、外国の方が主導で製作したとは思えないほど"和風"で、見ていて思わず痺れました。本気で粗探しをしない限り、変だと感じる部分はまず見つかりません。また、敵のデザインが日本っぽくないという方は、"月の帝"を連想してみてください。その違和感はきっと消えるはずです。
このがしゃどくろは必見!!

 アニメーションは相変わらず素晴らしい。特に戦闘シーンはコマ撮りの域を脱したと思わせるほど、躍動感に溢れています。徐々に散らばっていく木の葉、縦横無尽に動く人形たち、自然にひたひた動く水適...どこを取っても最高でした。



 惜しいと感じたことが三つ。 パラノーマンと同様に、この映画では迫力の映像で映し出された壮大な世界が存在するのに、それは相対的に物語全体のくぼ..嫌、規模が小さい。二つ、一族の闘いに巻き込まれた親子のドラマには感情移入するほど最高だったのに、終盤で仲間たちの犠牲が反映されず、ラスボスの制裁が曖昧で、地味な勧善懲悪と化していること。これによって、人間とは違う異世界の存在という未知のオーラが崩れた感じがして少々がっかりした。

 三つ目は、アメリカでの興行収入。 評論家が絶賛し、トークンブラックや中国・韓国人の介入もなく撮影された素晴らしい映画だったのにも関わらず、ライカ史上最悪の興行収入にだったということ。※クボとBoxtroll以外は日本での興行収入も含む
(Box office Mojo調べ)


題名
興行収入/総館数オープニング成績 / 当時の館数公開日(米国)

コララインとボタンの魔女
$75,286,2292,320$16,849,6402,2992009/2/9

パラノーマン
$56,003,0513,455$14,087,0503,4292012/8/17

コープスブライド(クレジット無)
$53,359,1113,204$388,16652005/9/5

The Boxtrolls (劇場未公開)
$50,837,3053,464$17,275,2393,4642014/9/26

KUBO:クボ二本の弦の秘密
$48,023,088 3,279$12,608,3723,2602016/8/29

 内容どうこうでいえばパラノーマンやBoxtrollsよりマシだと感じていたので、少しショックでした。

 最後に。アニメーション好きや業界関係やこぞって本作品絶賛していましたが、知り合いや身内を通して実感したことが二つ。一般の方は、映画は入る前までは俳優やビジュアルを気にして、見終わった後には脚本以外は殆ど気にしないということ。そして、映画祭や映画館で否定的なことを聞いたからといって、その発言を"最低の行為"と言う"自称"映画好きが殆どいなかった作品が、売れる作品になるのだということ。
 映像が良いだけで良い映画になるんなら、苦労しないから!

 日本人には是非見て欲しいと思う反面、それほど傑作とは言えないのがもどかしくなる一作でした。

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