私とカートゥーンと鈴と。: 独身男性向けハヌカ映画。 『エイト・クレイジー・ナイツ』Eight Crazy Nights

独身男性向けハヌカ映画。 『エイト・クレイジー・ナイツ』Eight Crazy Nights

エイトクレイジーナイツ Eight Crazy Nights
2002 (米) (PG) 45/100

監督 セス・カズリー
企画 アダム・サンドラー、アレン・コバート、ジャック・ジアラート
脚本 アダム・サンドラー、アレン・コバート、ブルックスアーサー、ブラッドアイザックス
出演 アダム・サンドラー、ジャッキー・タイトーン、オースティン・スタウト、ロブ・シュナイダー
ナレーション ロブ・シュナイダー
音楽 テディ・カステルルッチ、マーク・エリス、レイ・エリス
編集 エイミー・バデン
制作 ハッピー・マディソン・プロダクションズ、ソニー・ピクチャーズ

ユダヤ教の伝統行事・ハヌカ。

 世界中で有名なキリスト教のクリスマスとほぼ同時期に開催される故に、ユダヤ教に親近感が湧かない日本国内での知名度は皆無に等しい。また近年では、飾られたもみの木に配置されるクリスマス・プレゼントに酷似する「ハヌカー・プレゼント」を与える家庭や、クリスマスツリーに似た「ハヌカー・ブッシュ」と呼ばれる常緑樹を飾る家庭もいる。二千年を越えた迫害と差別の歴史がある故に、マイノリティを尊重する文化が確立した国では、こうした文化に影響されたアニメが数本出ても不思議ではない。

予告編


あらすじ

  •  30過ぎの万年若手の男デイビー(アダム・サンドラー)は、ある夜飲酒運転を疑われたため、警察官から逃走するも敢え無く捕まってしまう。しかし、裁判中によりムショ送りになりそうなところをウィットニーとエレノアに救われる。結果として、バスケチームの社会奉仕活動の刑が下されるのだが...
 アダム・サンドラー。彼は映画俳優・声優・プロデューサーとして様々な映画を輩出してきた。『ビッグダディ』『リトルニッキー』も『モンスター・ホテル』、『ピクセル』など。日本国内で爆発的なヒットを飾った作品はそれほど多くなく、洋画のコメディ映画の話題で彼の名を聞くことは多くない。しかし、アメリカ国内では安定した人気を持つ。そんな彼の勇姿をディズニーに負けず劣らずの伝統的なフル・アニメーションで構成したのが、この"Eight Crazy Nights"である。

 一言で言うと、温水プールのような作品。小学生が好む単純な下ネタを遠回しに発言して、大人向けのジョークに昇華しているものの、それらのジョークの境界線を度々越えている。コロンビア映画もといソニー・ピクチャーズなら変化球を向かい入れる体制は整っていたはずなのに、なぜここまで中途半端になったのだろう。

 背伸びしたい少年が首を傾げ、成熟した大人の”極一部の客”が腹を抱えるという事態はPG指定の映画には不適切である。アンチディズニー要素を見事にコメディとして昇華させたシュレックのような塩梅にならなかったのが惜しい。現実を画面全体に映さずに、会話や効果音で悟らせれば大爆笑もアリ得ただろうが、こちらの場合は不愉快でかつスカトロジックな描写で吐き気を催す演出が殆ど。



ネタの一例
鹿が糞を食う。
出張用トイレが転がり落ちて、糞まみれになった脇役をそのまま凍らせる。
毛皮の生えた尻を見せる。
デブを巨乳女子呼ばわり
3つの乳を持つ女性がいる。 など....



 ジョークで笑わせることにしか眼中になく、登場人物の背景や物語の展開に全然関係ない話ばかりで嫌になる。ただ、主人公のデイビーは予告編通りのことをするゲス屑男野郎だったので、そこら辺はプラス。登場人物のうちの一人の爺さんの声が特に酷い。赤ん坊の金切り声をナヨナヨした感じで、人を小馬鹿にするような声質だから聞いていられない。

 独身男のトラブルメーカーが社会奉仕活動で一悶着起こしても、そんな展開は実写で目が腐るほど観てきた。物理的法則を無視した現実味のある演出を期待していたのに、実写ドラマを元にアニメ化したような内容で心底嫌いたくなる映画であった。

 自虐的な脚本や不謹慎なネタを投じるなら振り切れなければしょうがない。フルアニメーションには有害で予想外な演出を挿入して、その落差を堪能させようとしていても、本作はどこかズボラでしょうもない。

アダム・サンドラー好きなら辛うじて楽しめる一作。

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