私とカートゥーンと鈴と。: フリッツ・ザ・キャット Fritz the cat

フリッツ・ザ・キャット Fritz the cat

フリッツ・ザ・キャット Fritz the Cat
※フィリックス・ザ・キャットでは無いです。左)国内版 右)米国版
 
※丸川製菓のフーセンガムや、顔だけ白い黒猫を連想されている方。また未成年はブラウザバック推奨。
1972年 (R)(米)
監督・脚本 ラルフ・バクシ
企画 スティーブ・クランツ
原作『フリッツ・ザ・キャット』著 ロバート・クラム
音楽 エド・ボガス、レイ・シャンクリン
撮影 テッド・ベミラー、ジーン・ボルギ
編集 レン・レイノルズ
制作会社 Aurica Finance Company, Black Ink, Fritz Productions, Steve Krantz Productions
制作費 70万ドル
興行 9000万ドル

 1971年から72年にかけて、日本では初めてTV用アニメーションで青年をメインターゲットにした番組『ルパン三世』が放映された。子供への媚びを売らずに制作されたそれは、当初は大衆の支持を得ることはなかった。しかし、再放送によって評価されていき、現在では日本の誰もが知る国民的キャラクターとなった。

 今回は偶然にも同年に公開された史上初の成人向けアニメの感想。

予告編


紹介&感想

 激しすぎ。

 原作者ロバート・クラムはこの映画の余りにの出来の悪さによって、原作漫画の連載を終わらせてしまったらしいが、無理もない。キャラクター設定や世界観は原作とそれほど変わりないが、展開がブッ飛び過ぎている。アンダーグラウンドコミック(ガロ系と思えばよし)から有名になった漫画家ロバート・クラム()と、映像表現の新境地を切り開こうと模索する奇才ラルフ・バクシ建築作業員から漏れ出す尿から始まるオープニング。クール・ワールド、指輪物語等)の奇跡のコンビが織りなす驚異の娯楽作品。

地表に落ちる過程をスタッフロールの横で、綺羅びやかな結晶の如く輝く尿。ところが、路地を歩く人影が見えた途端に汚く落ちるのだ。ここを笑うか一種の俗物かと思うかで、この作品の見方が変わる。本作の性描写や暴力描写は、基本的に一部始終を包み隠さず、そして大胆に描いているのでR15というよりR18の映画に近い。



 内容は今風に言うと、ずっこんばっこん大騒ぎ。とにかく硬派で過激な物語なだけに物凄い。演技面とアニメーションは素晴らしい。声の演技が独特。俳優が力を込めているというより、大学生を引っ張り出して生の声を垂れ流したような演技。そのため、リアリティが半端ない。(風呂場のシーンのプレスコ大変だったろうなあ...)

 当時、自由に仕事が出来なかったバクシ監督の不満が溜まっていたせいか、下品と聞いて思い浮ぶ表現は全部アニメになっている。また、学生運動の機運が高まっていた当時の雰囲気が色濃く反映されている。インディーズ映画でも今では中々実現できない題材に挑んでいるのは貴重。ただ、成人向けという規制のない状態が災いし、原作以上にやりすぎている感が強いのがマイナス。倫理的にも、内容的にも。

 主人公の脇を女子大生が通りかかろうとすれば、即座に楽器を奏でてナンパを試みる。ひたすら勉学に励む同級生の姿をみて、今の生活を無意味に感じていく。そして、在籍する意義がなくなり中退するフリッツ君。彼を見ていると、自堕落になりかけた自分自身を見ているようで少し辛い。(まあ、彼ほど躍動的ではないが)

 本編の終盤で主人公が心身疲弊になっても、結局最後には◯◯で事が収まる"ヤリすぎ"感を見ていると、考えすぎずに見ても楽しめる作品なのだと察した。

 哲学的にも、気を抜いても色んな視点で楽しめるトンデモ映画。
 

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