私とカートゥーンと鈴と。: いじわるグリンチのクリスマス How the Grinch stole the Christmas

いじわるグリンチのクリスマス How the Grinch stole the Christmas

Dr.Seuss' How the Grinch Stole Christmas!
いじわるグリンチのクリスマス
(米)1966 85/100
原作 『グリンチ』"How the Grinch Stole Christmas!" 著 ドクター・スース
企画 テッド・ガイゼル、チャック・ジョーンズ
監督 チャック・ジョーンズ
脚本 ドクター・スース
出演 ボリス・カーロフ、ジューン・フォレイ、サール・レイブンズクロフト
ナレーション ボリス・カーロフ
テーマ曲作曲 アルバート・ヘイグ
制作スタジオ キャット・イン・ザ・ハット・プロダクションズ、MGM アニメーション/ビジュアルアーツ

原作絵本

 クリスマスのアニメというと数多くある。子供向けTVアニメなら"クリスマスを救え"だとか、"クリスマスって何?"とった題材だけで何百という作品が見つかるだろう。そして、西洋諸国の中でも激戦区となっている米国で、定番中の定番がとなっているのがこれ。

 原作は現代のマザーグースと言われるDr.スースが1957年に刊行した絵本『グリンチ』"How the Grinch Stole Christmas!"。彼はアメリカ国内において現代のマザーグースと称賛された絵本作家で、五味太郎、林明子、谷川俊太郎、やなせたかしといった作家に相当する知名度を持つ方である。




 1966年にTV特番として放映された本作がポップカルチャーに与えた影響は非常に大きい。クリスマス映画の代表格『ホームアローン』の中で本作のテーマ曲が流れたり、ジムキャリー主演で2000年に実写化され、『ミッション・インポッシブル2』を超えるヒットを飛ばしたと聞けば、その影響力が如何なるものか判るだろう。

 主人公グリンチは絵に描いたような意地悪だ。苦虫を噛み潰し笑顔を嫌い、皆が嫌がることを喜んでやりたがる。そんな彼が、クリスマスを潰そうと考えるのだから、子供達が惹かれないわけがない。そして、黄金期(5)のルーニー・チューンズや60年代のトムとジェリーを担当していたアニメーターのチャック・ジョーンズが描く独特な顔芸が見れるとなれば誰もが気になるはずだ。

見よ、このニタリ顔。
一度観たら忘れられない。

 ストーリーは、フーヴィルという街の住人達が心底気に入らないグリンチが、クリスマスを"盗もう"と思いつき、クリスマスに関わる全ての物を街から取り除いていく。その後見事にクリスマスを"盗んだ"ものの、それでもクリスマスを街の中心で祝うフーヴィルの住人たちを見て改心するというもの。

 この作品で素晴らしいのは、原作再現と作画、そして音楽である。

 クリスマスというものは決して大企業の宣伝によって生まれた物質主義のイベントではない。困窮している人を助け、大切な家族や親族と共に過ごし、平和を推し進めるものだと、教訓としてしっかりと教えている。また、教訓や展開を含め原作通りのストーリーを展開しているのもプラス。


 何と言ってもチャック・ジョーンズ氏によって味付けされた作画が最高。特にクリスマスを盗むシーンは目が離せない。彼はクリスマスを阻止するのだが、その方法は文字通りの"盗み"なのである。樅の木を袋に入れ、装飾品を一つ一つ丁寧に抜き取り、プレゼントが置かれたカーペットを包むといったような行動の一部始終をアニメにしているもんだから、カートゥーン好きには堪らないのである。


 音楽、というより歌も良い。彼のテーマ曲"You're mean one,Mr.Grinch"【いじわるなやつだよ、Mrグリンチ】は何度でも流したくなる。この歌が特徴的なのは歌詞の内容を重視しているため、彼に対する嫌味を淡々に語るように聞こえること。これが癖になる。




クリスマスには打って付けの一作。

  

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