私とカートゥーンと鈴と。: ファンタスティック Mr.FOX

ファンタスティック Mr.FOX

ファンタスティックMr.FOX
Fantastic Mr. FOX
2009 (米) (PG) 90/100


 原作は『チョコレート工場の秘密』、『ジャイアント・ピーチ』で有名なロアルド・ダールの小説、『父さんぎつねバンザイ』社会風刺とも毒ある教訓とも読み取れる原作をストップモーションでアニメ化。構想に12年、撮影に2年を費やした力作です。

ストーリー
 妻ギツネの妊娠を機に泥棒稼業から足を洗ったMr.FOX(ジョージ・クルーニー)。親子3人、穴ぐらでの安定した生活から丘の上の大木の家に引っ越したことから、Mr.FOXは近所に住む農場主3人の家に盗みに入ることを思いつく。しかし、大事な家畜や食べ物を盗まれた農場主たちはキツネを追い込むことに。Mr.FOX一家と仲間たちは結束し、穴を掘って逃げようとするが……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編 




感想
 アニメーションの動きはとしては、『コララインとボタンの魔女』で有名なライカが活躍してる今となっては、かなりぎこちなくて雑に見える。しかし、この作品で描かれる主人公のいう"野生動物"らしい荒々しさやずる賢さを強調しており、一筋縄ではいかないおとぎ話を見ているような感覚で楽しめた。特に大画面のTVか劇場のスクリーンで見ると予告編から思い浮かぶ想像を遥かに凌駕するアクションとドラマが観れるのでおすすめ。

 原作者のロアルド・ダールはよく毒の効いた教訓のような物語が多いが、映像化された彼の作品の中ではこれが一番忠実に再現されていると思う。

映像化作品一覧
チョコレート工場の秘密
おばけ桃の冒険 
おやさし巨人B・F・G
マチルダは小さな大天才 等...


 まず、登場人物達のマペットは見ていて惚れ惚れする。ふさふさの毛をくっつけて、
表情豊かで個性的で"野生動物"らしい人形たち。会話がなくとも状況が理解できるわかりやすくて荒々しい動物達はこの作品にうってつけ。

 主人公兼騒動の火種であるフォックスは、吹替・字幕版共に上手くハマっている。
ERの印象が強いジョージ・クルーニーが決め言葉をカマしつつ、乾ききった雰囲気を醸していおり、動物の毛皮を破けば彼が飛び出してきそうなほどハマっていました。吹替版もジョージ・クルーニーの吹替経験のある方だったので違和感も不満点もありませんでした。

 妻であり、彼のことを十二分に知り尽くすMrs.フォックスことメリル・ストリープもグー。俳優の絵面を想像すると夫婦とは到底思えないが、ここまでの演技を見せらせると本物の夫婦だと一瞬勘違いするほど。
不動産屋のアナグマのビル・マーレーも倉庫番をするドブネズミのウィレム・デフォーも役にあっていました。又、特にキャラクターの性格としてはMr.フォックスの息子アッシュが良かった。ムカつくワガママな子供だけど、"可愛い"と思えるワガママなのである。目立とうと努力するものの満足に扱ってもらえずふてくされる姿は何とも言えない。

 そして、人間(動物達の獲物)がいないと結局生きていけないとする展開には思わず苦笑い。彼等は【野生動物であり、また人間に刃向かえるほどの知性を持つ生き物である】ということを痛感した。終盤のみに登場する動物がそのことを印象づけていたのが良かった。『平成狸合戦ぽんぽこ』のように視聴者に直接語りけるような教訓めいた鬱陶しい内容でもないし、娯楽性をただ追求しているわけでもない。ロアルド・ダール特有のはっきりとしないストーリーは、とにかく意味を求める方や勧善懲悪こそベストと思う方には嫌なものと思われてしまうけど、それ以外の方にはぜひ見て欲しい。

 ギクシャクした機械仕掛けのような動きが風刺的な内容をより一層深めた一作。

余談
 本作品の監督・ウェス・アンダーソン氏の最新作『犬ヶ島 Isle Of Dogs』
こちらも本作品同様のスタイルのストップモーションアニメである。犬が増えすぎた近未来の日本で起こる一大騒動が舞台となっており、日本人俳優も多数出演している本作。

予告編


伊藤晃
高山明
夏木マリ
野田洋次郎
オノ・ヨーコ
村上虹郎
渡辺謙 等....

この作品も是非日本公開して欲しいです

   

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