私とカートゥーンと鈴と。: プリンス・オブ・エジプト Prince Of Egypt

プリンス・オブ・エジプト Prince Of Egypt

プリンス・オブ・エジプト Prince Of Egypt
監督 ブレンダ・チャップマン、スティーブ・ヒックナー、サイモン・ウェルズ
脚本 ケリー・アズベリー、ローナ・クック
製作 ペニー・フィンケルマン・コックス、サンドラ・ラビンス
製作総指揮 ジェフリー・カッツェンバーグ
音楽 ハンス・ジマー
編集 ニック・フレッチャー
製作会社 ドリームワークス・アニメーション
(米) 1998 (PG) 

 ジェフリー・カッツェンバーグ総指揮のもと、アンツと同時並行で製作された本作が目指したのは、ディズニーが今まで手を付けなかった"宗教"映画。興行収入は振るわなかったものの、観客や批評家からは大絶賛された作品。原案は旧約聖書の"出エジプト記"の部分。宗教臭さはあるものの、前情報なしでも楽しめるミュージカル大作。

予告編

ストーリー
 貧しきヘブライ人の血を持つ王族育ちのモーゼは、エジプト王を次ぐラムセスと同様に愛を持って育てられていた.... 月日が立ち立派な青年と成長した彼はある日、自分がヘブライ奴隷の子であるという出生の秘密を知ってしまう。その真実が兄弟の強い絆を引き裂き、そして二人の対立させていくのであった....




感想
 パーツ毎に別ければ文句なしで、総合的には普通と言った印象。ドリームワークスの2Dアニメーションは、狼との混血犬が主人公の『バルト』を制作したアンブリメーションから構成されており、角張ったような独特な絵柄が特徴的だった。それが本作では、見事にうまく作用している。舞台となるエジプト周辺の中東は、見たこともその知識が無くとも、間違いなくこれはエジプトなのだと感じさせる圧倒的な映像美は素晴らしい。聖書オタクでも聖職者でも十分に納得させられる出来。

 子供も観ることのできるものの、子供に媚を売るシーンは殆ど無く繊細に、丁寧に、そして重厚な物語が展開される。モーセの悩む姿やラメセスとの兄弟関係を描いており、大河ドラマを観るような感覚で自然に楽しめる。特に中盤のモーセに対するラメセスの愛や悲しみ、怒りの入り混じった表情は印象的。 

 またこの映画は映像体験としても堪能出来る。十戒で最も有名なあのシーンに関しては時代を感じるCGとなっているものの、それほど目立つことない。そのため、手描きアニメを補助する形で2DCGが上手く調和している。また、”神”の姿を映すこと無く、神との意思疎通を描いているのもプラス。 

 駄目だったのはミュージカルの部分。PG指定にしても、結局”子供向け”の鎖から開放されない米国のアニメ事情がここで響いてくる。ミュージカルにはするなと言う訳じゃない。ミュージカルで語る必要性がないのだ。物語の対象者は明らかに大人を意識しているなら尚更。また、神聖かつ厳粛な物語を台無しにする曲があったのも、少々いただけない。中盤でホテップとホイが歌う曲はコメディ色が濃すぎている。これに関しては完全に場違い。アニメとして面白いけど、蛇足でしかない。 

 それでも、聖書に馴染みのない方には新鮮な映像体験として、又は入門編としておすすめの一作。

  

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