私とカートゥーンと鈴と。: ラマになった王様 The Emperor's new Groove

ラマになった王様 The Emperor's new Groove

ラマになった王様 The Emperor's new Groove
2000 (米) 75/100  ディズニー1ノリの良いコメディアニメ。
左)英語版 右)日本語版ポスター
 
 監督はキャッツ・ドント・ダンス』、『チキン・リトル』のマーク・ディンダル。コメディ作品を監督させたらピカイチの彼が今回手掛けたのは、自己中でワガママなインカ帝国の王子のお話。

ストーリー
 南米のジャングル奥深くにある王国に、クスコという王様がいた。彼は、富と権力はあったものの、恵まれた環境が原因で非常に傲慢で嫌な性格に育っていた。それため、国民からは全く信用されていなかった。ところが、相談役のイズマを気まぐれでクビにしたことで、彼は毒薬を盛られてしまう。その上、イズマの手下のクロンクの手違いにより、クスコはラマの姿に変えられてしまい....

予告編

 本作の登場人物と比較するとヘラクレスのハデスの方がキャラクターとして笑えるが、"喜劇"としてはこちらの方が断然上。お伽噺やミュージカルなどのディズニー作品のように、彼等の"尊厳"や"美徳"を魅せつけるようなことはないので、気軽に楽しめる。

 主人公のクスコの性格の悪さは、どら息子の典型例のようなもの。自分が偉くて、気品ある、完璧超人と誇示するようなタイプ。そんな、嫌われる存在となった彼が、農民のパチャとの旅を通して心を通わせていくのだが、まあ主人公が下衆いあまりにも下衆い。ラマの姿でも自己中を貫き、前半部分では反省した様子が全くないから驚きだ。ある出来事から突然更生するタイプで、徐々に改心することなんてないのだ。

 そんな彼と比例して、素晴らしい人間性を持つのが農民のパチャ。どうしようもないワガママ坊やに、唯一救いの手の差し伸べる聖人的存在。ただ、クスコに対して常に誠意を見せていたのは、自分の家族と家を護るという理由もあっただろうけど。そして、ディズニーヴィランを務めるのは相談役の科学者イズマと、ドジで大柄なクロンク。イズマは能天気な主人公を支える大黒柱でかなりの常識人。クロンクは今作のヒロイン。男だがヒロイン。


 主人公のナレーションから察せる通り、本編全体がギャグアニメでテンポよく進んでいく。メタ的なギャグが多く、若者受けを狙うような作風で、古典的なディズニーの印象を自ら壊しているような印象だった。ヴィランの研究所へ繋がるディズニーランドっぽい案内放送の流れるジェットコースター、起承転結を強調させる体を張ったギャグなど盛り沢山の本編。

 だが、どんなことが起きても予想の範疇のため意外性はない。ただ、邦画の第一線で活躍する藤原達也氏が、クスコの声を充てていたのは意外だった。当時、彼は19歳でバトル・ロワイアルぐらいしか代表作がなかっただけに、余計そう感じた。話題性のキャスティングであることには間違いないけど、声質はまあハマってた。喜劇のテンションに合わない演技だったのは微妙だったけど。

 監督の前作がワーナーのアニメだったせいか、内容だけ聞くとワーナーアニメと勘違いしそうになる一作。

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