私とカートゥーンと鈴と。: ビーバス・アンド・バットヘッド 劇場版

ビーバス・アンド・バットヘッド 劇場版

ビーバス・アンド・バットヘッド Do America
Beavis and Butthead Do America
1996 (PG) (米) 66/100


 ACDCやメタリカが大好物なテレビっ子の馬鹿2人、ビーバス・アンド・バットヘッド(以下B&B)。稲中卓球部に近い荒い作風で描かれる彼等の日常は、90年代の放映当時全米のティーンエージャーを虜にした。そんなTVアニメの人気が絶頂期だった頃の劇場用作品。

ストーリー
 愛用のテレビが何者かに盗まれ途方に暮れるビーバスとバットヘッド。TVを見るために、備品を盗んだり、モーテルでの物色を試みていくが、何故か暗殺の依頼を引き受けることに。ところが、標的の女性による色仕掛け?に上手く乗れられた彼等は、気づかぬ内に全米指名手配を受けてしまい....

予告編


紹介&感想
 音楽番組でミュージックビデオをこき下ろすいつもの批評は無いけど、馬鹿を面白可笑しく描くキレは映画でも健在。大体、パッケージの下品で過激なんて謳い文句じゃ、シンプソンズやサウスパークらしさ目当てに観ようとする人しか来ないぞ。似てるようで全然違うし。日常にあるものや行事に生粋の馬鹿が関わるとどうなるのかを描いたアニメに、過度な皮肉や風刺は求めないほうが良い。

 社会批判・風刺なら『キング・オブ・ザ・ヒル』、政治批判なら『26世紀青年』、そして、馬鹿を面白可笑しく描いた作品ならこのB&Bで決まりだ。

 自分の名前の読み書きも出来ない15歳の高校生。知識と知能、そして常識が一般人によりも圧倒的に劣る彼等は、全てHとテレビ鑑賞のためだけに行動するのだ。しかも、人の話は自分の都合の良いように認識するせいで、会話は誤解だらけ。(ある意味怖いもの知らずともいえるが)。それでも、物語はうまい具合に展開していく。悪ガキにも嫌悪感を示すこと無く付き合う老婦人、B&Bを雇の殺し屋と勘違いした泥棒、TVシリーズでも理不尽な迷惑を被ってきた隣人等の、主人公の"勘違い"に惑わされる姿は見ていて楽しい。




 副題のDO AMERICA の名に恥じないアメリカ横断(徘徊)の旅は、TVアニメのネタとアメリカの長所・短所を上手く纏めている。馬鹿の視点から見るアメリカ社会の見解は、尽くアメリカをコケにしていていい。

 字幕担当者も優秀。B&Bの会話は言葉の意味の勘違い・聞き違いが多いので、その大半が二重の意味を説明しないと楽しめない。しかし、TV版の高品質な字幕の良さを引き継いでいるので、英語が出来ない方も満足できる。(Cornholio=肛門ホリオ、Scoreの意味等)また、音楽番組のマスコットを務めるだけあって、映像面でも興味深い。映画本編は大部分が、比率を4:3を16:9に変えただけの印象でこれといった凄さはない。

 しかし、主人公達が見る幻覚シーンは面白い。エド・ロスのラットフィンク"Rat Fink"を彷彿とさせる癖のあるデザインで動く地獄絵図は圧巻。

 個人的な名シーンは、既婚者でも独身男性でも胸打つものがあるビーバスの演説。思春期真っ盛りの童貞の言動は、共感できる部分が多い。あからさまなバカ映画でこんな感動を誘うことができるマイク・ジャッジ監督は天才。ヘラヘラと笑う掠り声に苛立ちを覚えない人であれば、本編終了後にこんな2人組にも少しは愛嬌のあるようにみえてくるはず。

 余談だけど、現在のホワイトハウスとは違い、公開当時は国会議事堂のように予約制であれば一般人も入場可能でした。ただし、警備は映画内の描写ほど緩くはないはず....多分。
 

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