私とカートゥーンと鈴と。: Decorado -デコラード-

Decorado -デコラード-

Decorado -デコラード-
2016 (西) 75/100


 とある映画祭で公開された短編の中で、(個人的に)一際異彩を放っていた本作。公演終了後、どうしても観たいと思い必死になってネットの海で血眼になっていたところ、偶然Vimeoで配信されているのを発見。今回は、そんな作品の感想。

 監督は『サイコノータス』で最近注目を浴びる(世界の映画祭で)話題の作家アルベルト・バスケス。なお、"Decorado" スペイン語で"飾り物"、飾るという意味。ここでは、セットと訳す。



 「時々周りが"セット"に見えてこないかい?」

 そんな一言から始まる本作で特徴的なのは、愚行も皮肉もありのままにさらけ出した、牧歌的で版画調のデザイン。そしてこれこそが、最大で唯一の長所兼短所。◯ナルドダックに"アクメ"Acmeと言わせるとった定番のネタだけかと思いきや、R指定にせざるを得ない強烈な下ネタもあって見応えは抜群。夢のようで、夢でない。今いる自分は現実か仮想か。そんな疑問を抱く主人公の行く末は、哀れで現実的。考え込むほど恐怖心が増していく、超現実主義の絵画を見るような錯覚に陥る独特なアニメーション。

 彼の絵柄が癖になるのは、カートゥーンの様なシンプルな造形から踏み外したような絵柄で、こういう成人向けのネタをぶちまけるところにあると思う。擬人化したR指定アニメはありふれているけど、基本的にはディズニーチックな可愛らしい造形だ。でも、本作品はシンプルながら殺伐としていて、怖い。まるでSteve Cuttsのよう。現実の負の部分を包み隠さずストレートに風刺をする彼の作風は、好みがはっきりと別れるだろうけど、ダークな世界が好きな方にはおススメ。




ルベルト・バスケス←作家さんのサイト

 

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