私とカートゥーンと鈴と。: マックス The Maxx

マックス The Maxx

The Maxx マックス
1995 (米) (TV14) 60/100


 日本支局のMTV(三重テレビでなく"MusicTeleVision"のこと)は、基本的に音楽番組がほとんどで、それ以外のジャンルに属するウサビッチやビーバス・アンド・バットヘッドといったアニメーションが放送されることは殆ど無い。しかし、MTVの本家アメリカでは、ティーンエージャー向けのアニメを定期的に多数放映している。長続きするものもあれば、不発で終わるものもある。

 今回は原作の再現度が高かったにも関わらず1シーズンで打ち切りとなった、アニメの紹介とちょっとした感想。
オープニング
from Doe John on Vimeo.
MAXX パスワード

(序章)
 我々人間は少なくとも2つの世界で暮らしている。一つ目は現実世界。そこはあらゆる境遇に支配された我々がいる場所だ。そして、無意識の内に入り込み、我々が安全に逃れられる唯一の場所だ。
 しかし、マックスは、自分の意志の思うがままに2つの世界を行き来できる。現実じゃあ、彼は路地裏のダンボールで暮らす浮浪者さ。そんな彼の理解者は、社会奉仕家のジュリー・ウィンターただ一人だ。
 でも、もう一つの世界パンゲア"Pangaea"じゃあ違う。ここじゃあ、彼はジャングルの奥地を支配する女王の守護者だ。そして、現実世界の理解者は裏の世界じゃジャングルの女王ってわけさ。んで、マックスが必死になっても、いつも報われずに現実に戻っちまうのさ。 ん、俺は誰かって?俺はゴーン様だよ。 [フフッ]
 俺だけに見える秘密の子分どもで、彼等を破滅させてやるのさ。貢献する...? ああ、どうでもいいわ! まずは楽しまないとなあ。 フハハハ.....

紹介兼感想
 サム・キースの同名コミックのアニメーション作品。

 異常なまで巨大な主人公のマックスは、紫色で、極端に長く鋭利な出っ歯、鋭い鉤爪で"くたばれ!"のポーズの状態の中指を持つ異様な出で立ちをしている怪人。しかし、彼自身は街を守るスーパーヒーローのような振る舞いをしており、怪人..嫌変人として周囲から認識されていることの自覚はない。

 本作品の見どころは、原作を再現した質の高い作画と奇々怪々な展開。幻想世界のパンゲアでの出来事はオープニングで語られる通り、現実とリンクしている。そのため、登場人物たちの心情の揺らぎや、肉体的・精神的苦悩が巧妙に反映させているのだ。ただし、物語を追わないと、たまに現実とパンゲアの区別がつかなくなることもある。

 主人公のマックスは夢世界でパンゲアと繋がるのだが、しょーもない夢を観続ける彼の姿は、傍から見ればただのニート。警官にはその風貌から無実の罪で御用となったり、善人だという証明ができないこともしばしば。それでも、彼の行動は真摯で純粋なところもあって良い。原作から大幅にカットされた部分を再編集して映像化したため謎が残るところもあるけど、魅力はしっかりと残っている。

 ただ、この作風と雰囲気にはまらない方には全くおすすめできない。舞台となる現実世界はあまりにも暗いのだ。バットマンのような果てしない未知の暗さがなく、現実にありふれた退廃的で陰惨な暗さがメインなのだ。

 強大な悪は存在しない。いるのは、身近な極悪人だけ。

孤独感の強い変わったアンチヒーローをお望みの方におすすめの作品。
 

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