私とカートゥーンと鈴と。: Woody woodpecker 2017 観るも無残な実写版キツツキ。

Woody woodpecker 2017 観るも無残な実写版キツツキ。

Woody Woodpecker ウッディ・ウッドペッカー

監督 アレックス・ザム
企画 マイク・エリオット
脚本 ウィリアム・ロバートソン、アレックス・ザム
物語 ウィリアム・ロバートソン、アレックス・ザム、ダニエル・アルティエ、スティーブン・アルティエ
原作 『ウッディ・ウッドペッカー』シリーズ 著 ウォルター・ランツ
音楽 クリス・ハイヤン
撮影 バリー・ドンレヴィ
編集 ヒース・ライアン
91分 アメリカ合衆国

 製作開始を報告する記事はネット上で数件ヒットするものの、完成品に関する情報が一切ない辺り、相当やばい。というのも、劇場未公開のビデオスルーだろうと、未輸入品だろうと、秀作や傑作であれば日本語の情報というのは自ずと発生するのだから。しかも、腐っても"あのキツツキ"だ。ミッキーマウスやバッグス・バニーほどの知名度と貫禄がなくとも、提灯記事が見当たらないのはおかしい。

予告編


 ユニバーサル映画を中心に活躍した漫画家、ウォルター・ランツ。スター不在の1940年のユニバーサルに颯爽と登場したのが彼が誕生させたキツツキ。ウッディ・ウッドペッカーだった。当初は脇役として出演したものの、非常識極まりない行動と奇怪な鳴き声を観客を虜にさせた。以後、ユニバーサル映画の象徴的存在として半世紀以上に渡り、幅広く活躍してきた。

 アメリカの古典的カートゥーン達の実写映画は、基本的にろくな作品がない。『スペースジャム』や『バック・イン・アクション』のようにある程度の満足感を得られる作品群は非常に稀で、大半は映画化する意味がないほど出来が酷い。『トムとジェリー』や『近眼のマグー』、『ポパイ』.
 しかも、事もあろうにディスクスルーなんて処置をするなんて。一般的な認知度だけで観客を惹き付けることが目的なら、劇場公開は然るべき。

 実写版でのウッドペッカーは万人受けする性格付けではなく、乱暴で腑抜けた顔を取り外した初期のようなものとなっている。一歩間違えれば即座に怪我だらけになるアニメ本編の暴力性のみを継承している。大まかな内容も、住処とその周辺の森林伐採に憤るウッディ・ウッドペッカーが人間に対して猛威を振るうだけで、余りにも平凡だ。40年代の獰猛なキツツキを象徴する度を越した悪戯を幾度もこなすが、何一つ笑えなかった。そもそも、痛々しいカートゥーンバイオレンスは現実に持ち込んでも無意味だ。

 彼自身の外見も問題だ。目の縁の境界線をなぞるように散らばる赤いそばかすや、ふさふさな真っ赤な羽毛とは不釣り合いなクチバシは本当に気持ち悪い。実写の人間とのリアクションこそ自然なものの、彼自身が周囲から浮いており、映像の違和感は半端ない。

 ウッディの動作は全体的に爽快感に溢れているものの、彼の瞬発力は本編のテンポを手助けすることはない。また、性格も配色も大分マイルドな50年代や現代のウッドペッカーの可愛らしさが微塵もないのだから衝撃的だ。

 『アルビン 歌うシマリス三兄弟』、『ヨギ&ブーブー わんぱく大作戦』のように、それなりに納得のいく展開や、納得のゆく環境問題への警鐘が出来ているならまだいいが、本作は非常に鬱陶しい。本作のウッディは、思わず応援したくなるお調子者でもなく、嫌味なやつでもついつい気に入るようなキャラでもない。彼が得意げに喋ることといえば、名作映画から拝借した台詞やおならやゲップのジョーク。低俗かつ幼稚な排泄物のネタを、まさかウッディ自身が実行するとは思わなかった。

  

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