私とカートゥーンと鈴と。: ブレインデッド13 Braindead 13

ブレインデッド13 Braindead 13

ブレインデッド13 Braindead 13
(米)1995 

アニメ監修 デイブ・ケスネル

 ドン・ブルース氏のドラゴンズレアタイトー社タイム・ギャルなど、一見可能性がありそうでないゲームシステムが特徴的だったゲームジャンル、LD(レーザーディスク)ゲーム。映像にあった動作をすることで次に進むという方式は、米国を除く全世界で登場するし短期間で栄枯盛衰を経験した。しかし、驚異的な映像を第一に追い求めるというアメリカ人の琴線に触れたせいか、ジャンルそのものは米国を中心に十数年間続いたと言われている。

 今回は、そんな特殊な経緯を持つLDゲームを彷彿とさせるゲームの紹介。
あらすじ
 どこかの研究所で世界征服を企むのは機械生物のDR.ボンクラー。自身の体調を治療すべく呼ばれたのは、小生意気な青年のランス君。感が冴えるのは良いことだが、一言余計な発言が多いのが特徴。そんな彼は、依頼主を一目見ただけでボンクラーの企みを察してしまう。ランスを外の世界へ帰らせる訳にはいかないと、ボンクラーは部下のフリッツにランスの抹殺を命令したのだ。そしてここから、ランス君にとって最悪の一晩を迎えることとなったのだ....
本編一部
   
紹介&感想
 召使のフリッツや魔女、バンパイアのビビに代表される化物達の魔の手から逃れるべく、主人公のランスを終始操作するのが大まかな内容。説明書やオープニングムービーを見ずにゲームを開始したら、状況が理解できずに慌ててボタンをやたらめったら押して、何も出来ぬままゲームオーバーを迎えるだろう。

 LDゲームの醍醐味はアニメーションを観ること。本作品はその期待に添えた映像が容易されている。しかし、アメリカ人の求める映像は、鉄板ギャグやパンチラなどのお色気シーンなどではない。大袈裟な動きで相手を笑わせるカートゥーン的映像だ。ハンナ・バーベラ的(Fantastic Four宇宙忍者ゴームズFunky Phantomドボチョン一家の幽霊旅行)ネーミングが印象的なアクの濃いキャラクター達。彼等の動きは気持ち悪いほど滑らかだ。それに加えて、カートゥーンバイオレンスがてんこ盛りだ。

 鎌で切り刻まれたり、捕食されたり、潰されたり、窒息したり、毒を盛られたり、吸血されたりと様々な死に様が用意されている。始めからスプラッタ描写を見せようとするあたりが、ドラゴンズレアと大きく違うところ。血と金属の匂いが漂うトムジェリ的追いかけっこの結末は、生きるか死ぬかの二者択一。そんな、緊縛した状態でも冷や汗見せることなく、陽気なテンションを維持する主人公は"ある意味"幸せ者だ。カートゥーンでは定番のギャグと3,40年代のホラーテイストの混じる作風は、癖が強い分ハマる人にはハマる。



 初見殺しのオンパレードの本編は、聞く限りでは後遺症の残るほどグログロなイメージだが、主人公の陽気なウザさがそれを掻き消してくれるので大丈夫。また、大御所声優の高木渉氏の演技が、カートゥーン慣れしないプレーヤーのいい中和剤となるので、絵柄になれない方でも安心。 本作品で実感するのは、トムとジェリー等の劇場用フルアニメが如何に嫌悪感を抱かずに楽しめていたということ。ミートパテと化したトムなんて、誰も見たくないもんね。

 LDゲーム特有の自由度の低さを除いた本作品の短所は、ゲームプレイどうこうよりもそのフォーマットにある。PCゲームである本作はCDiに3DO、ATARIジャガー、PS、SS等のゲーム機移植されている。つまり、現在のようなHD画質ではない。そこが惜しい。また、ディスクの入れ替えを余儀なくされるのもマイナス。また、再開地点の区切りの部分から進展しないと、その分同じアニメーションの視聴が必須なのも残念な部分。 HD化されたアニメーションで本作をプレイするという淡い望みも、販売元がドン・ブルース関連のLDゲーム以外の再販をする兆しがないから絶望的。

 なお、本作のパッケージデザインは北米版と国内版で大きく異なる。北米版はありとあらゆる拷問道具を見せつけるフリッツ一人が、表紙に登場している。それに対し、国内版はフリッツの猛攻を回避しようと試みるランスの姿が描かれている。誰がどういう騒ぎを起こすのかを想像させる国内版を横目に、どんな仕打ちが見られるのかを想像させる海外版パッケージを見ると、宣伝方法は無数にあるのだと強く感じる。

 ホラーテイストに飢えている方にお勧めのゲーム。
 

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