私とカートゥーンと鈴と。: バッド・モジョ Bad mojo

バッド・モジョ Bad mojo

バッド・モジョ Bad mojo
1996 (米) 嫌よ嫌よも好きのうち。


※虫が苦手な方はブラウザバック推奨

1匹出たら100匹はいると称される生命体、ゴキブリ。油の滾った黒光りの姿は、常日ごろから嫌われる存在となっている。季節を問わず影を潜める神出鬼没の害虫に頭を悩ませている時に、思い出したのがこの作品。"邪悪な魔法"『バッドモジョ』だ。

予告編
  

紹介&感想
 人間世界を違った視線を持つゴキブリ。一見、生命力が高いだけあって天下無敵の様に思われがちだが、大間違い。彼等の行く手には、ゴキブリホイホイにガスコンロ、毛玉を追い求める猫に、実験道具と危険なものがいっぱいだ。主人公は不遇な人生を送ってきたゴキブリの研究家。どこかの団体から掠め取った膨大な財産をバッグに詰めて、家賃を滞納している安モーテルから逃げ出そうとするところから、物語は始まる。その後、忘れ物を確認する際に触れた、母親の形見から不思議なオーラが溢れ出し彼は、自らの研究対象へと変身してしまう。カフカの『変身』よりもなお酷い。

害虫研究を生業とする主人公
 ここまでがムービーとして紹介される部分で、この後の画面からゲームスタートとなる。ゴキブリに出来ることといえば、触覚で物体を感知する、一摘みの大きさのものを動かす、そしてゴキブリらしく動き回ることぐらいだ。しかも、人間にとっては小さな害虫でもゴキブリにとっては強敵で、小さな汚れでもゴキブリには底なし沼と同じぐらいの脅威だ。そんな不自由極まりない状態の脱出ゲームが、面白いのかと疑ってしまうかもしれないが、本作品はお勧めだ。

 本作の舞台は控えめに言っても汚い。徹底的に汚い。ネズミやGがのたうち回り、調理用の油がアチラコチラに散乱する悍ましい世界観。嫌悪感を示すこと間違いなしのゲーム画面だけでも、その要素が伝わってくるだろう。90年代のPCゲームとは言え、ビジュアルの生々しさは現代でも通じる。普段食している缶詰のコーンもパスタソースも、このゲーム中じゃ、ネバネバした固形物混じりの粘液にすぎない。CG感全開のムービーシーンも気持ち悪くなる要素として考えれば、発売当時には無かった長所となり得る。




 本作のストーリーも多少シュールな部分があるものの、一つの映画作品として堪能できる。主人公のペンダントの謎や、大家との意外な関係、そして、刻々と迫るタイムリミット... 日本語吹き替え版でなければ、ハリウッド映画さながらの豪華な実写ドラマも気にいるはずだ。

 この作品は、汚い存在を随所に渡ってとり汚く見せることで独自色を持つことに成功した作品だ。謎解き要素の方は、現代の感覚でやると詰まる部分も多い。しかし、90年代のPCゲーム特有の難易度だと悟れば、そんな短所も癪に障ることなく楽しめるはずだ。尚、本作はマルチエンディングとなっているので、物語をより堪能したい方は敢えてゲームオーバーするのがいいかも。

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