私とカートゥーンと鈴と。: 宇宙家族ジェットソン The Jetsons

宇宙家族ジェットソン The Jetsons

宇宙家族ジェットソン The Jetsons
(米) 1962-63 65/100
 ポップで未来的だけど60年代らしいアメリカン・ライフ。
※80年代のリメイク版と90年公開の劇場版はノータッチ。

 SF世界を描いた映像作品は作品の出来に関わらず、近未来を装う表現が何かと陳腐になりやすい。制作当時の最先端だと想像する物を片っ端から注ぎ込んだ結果、逆にその時代を象徴するものと化してしまうからである。マトリックスに登場する旧式の携帯電話。スター・ウォーズに登場するR2D2の設計図。等....
 今回は、そんなSFチックな作品の紹介。

オープニング


紹介&感想
 60年代。それは、映画産業が衰退しかかっておりTV番組が娯楽の天下を握っていた時代。革新的な映像表現の一つとして登場したリミテッド方式は、経費削減の目的でTVアニメで多用されていた。そんな中、潤沢とはいえない過酷な制作環境で、多大な成功を収めていたのが、ハンナ・バーベラ・プロダクションだ。クマゴロー原始家族フリントストーン等の傑作を輩出する一方で、駄作や子供騙しのものも多く、ラインナップは玉石混合の状態であった。なお、本作は良作に該当する。

 さて、本作品はこれといった原作もないオリジナルだ。しかし、こういった未来像を打ち出したのは初ではない。


 例えば、1956年に制作されたジョージ・ゴードン監督作品『安全第一』"Your safety First" では、何かと無機質な機械類のアンテナや車の外観が類似している。あくまでも、当時の一般人が想像しうる未来世界だったことが伺える。


 このジェットソンのデザインは、グーギー建築と呼ばれるデザインを軸にしている。巨大な欠片や幾何学模様を並べたり、星型のネオンや上向きの屋根をことで、近未来を連想させるのが特徴。アメリカ社会が近未来に憧れていた頃の産物で、アールデコともに現在では余りみないものとなった。

 本筋のコメディ的なホームドラマは今の感覚だとあまり面白いとは感じられない。まあ、半世紀前のネタで抱腹絶倒できたら、私は間違いなく爺さんだけどね。ただ、現実であれば重くなりうる家族問題をコメディに昇華させているのは、流石だと感じた。というか、題材の大半は166話も続いた『原始家族フリントストーン』と被るから、練られているのも当たり前か。なお、吹替版では、近石真介、香椎くに子、向井真理子、永井一郎等の声優が声を充てている。




 本作の最大の魅力は、60年代の"未来世界"が堪能できるということ。家事するのはルンバのような小型ロボでなく人間チックな家政婦ロボだったり、貨幣ですら電子化が進んでいる現代と比べると原始的な紙のお金が登場したりする。この【未来を描こうとしているのに、どこか古臭いレトロが感じ】が堪らないのだ。本編に登場する様々な万能器具は、単純に見ていて楽しい。また、日常生活を快適にする機械が存在しても、より単純に、より快適にしたい欲が常日頃から主要人物の態度に出ているのも良い。

 現代とは違う"未来感"が味わえるTVアニメ。
 
 

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