私とカートゥーンと鈴と。: とび☆うぉーず Hjælp, jeg er en fisk

とび☆うぉーず Hjælp, jeg er en fisk


とび☆うぉーず Hjælp, jeg er en fisk!
2000 (デンマーク) 60/100 大手スタジオに対抗できる納得のクォリティ
 お魚が"人物"として登場するアニメは、多そうで少ない。森の動物達に比べて多様性がないためか。はたまた、水中を描く手間が半端ないためか。
 今回は、そんな魚が登場するアニメ。

 製作はデンマークのアニメスタジオAflim。日本国内での知名度を考えると、代表作と呼べるものは特に無い。しいて挙げるなら、過去にカートゥーン・ネットワークで放映されたTVアニメ『アンデルセン・ストーリーズ』"The Fairytaler"や、ニコロデオンの『レンとスティンピー』の18禁版"Adult Party Cartoon"が、それに当たる。

 この存在を知ったのは20年近く前だろうか。おぼろげな記憶だが、劇場のチラシの中で妙に印象的だったのを覚えている。その後、カートゥーンネットワークでたまに再放送していたのを覚えている。契約していた当時は、典型的な凡作だと無視して視聴を躊躇していた。しかし、アラン・リックマンが声優を担当していることを知り、作品に対する興味が沸いたのだ。その後、DVD化されていることを知り即座に購入。

あらすじ
 海辺に暮らすトビー少年。ある日、両親の留守中に幼い妹ステラといとこのジェリーを連れて近くの岩場へ。遊びに夢中になっていると3人を大波が襲う。ところが、波にさらわれた先は秘密の洞窟で、奥には怪しげな研究所。そこではマックリル教授がひとり、人間がサカナになるための薬を開発していた。しかし、ふとした隙にステラがその薬を飲んでしまいヒトデに変身してしまう。そうとは知らないトビーはそのヒトデを海へ捨ててしまった。事態に気づいたトビーとジェリーは自分たちも薬を飲み、それぞれトビウオとクラゲに変身してステラを探すべく海中へと泳ぎ出すのだが……。(alicinemaから引用)

本編一部
 

感想

 アラン・リックマン好きなら大満足。映画単体でも十分面白い

 ミュージカルシーンではポップで明るい曲が使用されている一方、音楽全体は少し洒落ているような印象。使用曲は「突然世界が真っ逆さま/不安が消えた」や「大声で叫びたい」等、尺伸ばしでなく感情や物語の展開を丁寧に説明されている。また、古臭さはなく今聞いても現代的で、流行に乗ろうと極端なテンポに陥っていないので安心して見れる。(悪い例 ラップ、若者言葉、脱力系)

 アニメーションは、欧州のスタジオにしては安定しており、ワーナーとディズニーを2で割ったような印象。特殊効果が必須となる水中の描写も、陸上での作画を維持しつつ描いているのも素晴らしい。本作の水中は『ファインディング・ニモ』や『ピノキオ』といった広大な海というより、水をヒタヒタになるまで汲み入れた巨大な金魚鉢の世界に近い。ただ、リミテッド方式の制限を開放したような現場で制作された感じが強い。




 アラン・リックマンに代表されるハリウッド俳優を起用するなど、米国市場を視野に入れた作品なのだが、それにしては流血・残虐描写が強い。悪党をより魅力的に演出する辺りは素晴らしいが、カニやサメの捕食描写の部分はもう少し抑えられなかったものか。日本のアニメの規定でいえば、小さなお子様にも勧められる範疇だが、米国ではそうはいかない。現に、海外のレビューサイトでは、そういった表現が主な原因として低評価を付けられている。実際、見ていて少し気になった。"アメリカ"的なものに毒された自身の価値観による被害妄想だが.... また、劇中に映るCGは酷い。それほど頻繁に使用されていないのが唯一の救い。

 内容としては、お決まりの範疇にあり意外性はないものの、ファンタジーと理屈がごちゃごちゃになることなく段階を踏んでいる。キャラクターデザインはこれでもかというほど普遍的。しかし、その分登場人物の性格が判りやすく反映されている。特に、悪党の魚は序盤だと、アラジンのOVAに登場するアビスマルのような小悪党を連想する顔だが、中盤になる頃には立派な悪党に仕上っているのがなんとも言えない。
 アラン・リックマンを目当てで見ていたため、てっきり主役かと勘違いしていたので思わぬ不意打ちを喰らいました...

 敢えて、本作を米国産を押しのけてお勧めすることはないだろうけど、レンタルビデオ店で品選びに迷っている家族連れならこれを観るのがいいかも。

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