私とカートゥーンと鈴と。: アノマリサ Anomalisa

アノマリサ Anomalisa

アノマリサ Anomalisa
(R) (米) 2015 50/100
 アノマリサ...あの魔理沙。googleの日本語入力システムは優秀な時もあれば、無能な時もある。流行語やネット利用者の履歴から反映させるから仕方のないことだが、もう少し精度を上げて欲しい。日本でも小規模の劇場公開がなされた映画なら、せめて本作の題名はカタカナで表示して欲しい所。

 魔理沙が何なのかは全く存じないが、本作には年頃のティーンエイジャーは登場しないのであしからず。

あらすじ
 カスタマー・サービスの分野でモティベーション・スピーカーとして名声を築き、本も出版しているマイケル・ストーン。しかしながら彼自身は人生に何の刺激も感じられずにいた。

 ある日、講演者として呼ばれてきたシンシナティ―で、彼の講演を聞きに来ていたリサという女性と出会う。



 長いこと、誰の声であっても全て同じ声に聞こえていたマイケルが、唯一聞こえた"別の声"の彼女と特別な一夜を過ごすのだが・・・。

(DVDの紹介文から引用)
予告編


 人形アニメでできる限界を別次元で攻めた意欲作

 元々は10年くらい前に音声のみの劇として上演されたものを、ストップ・モーション・アニメとして映像化したもの。R指定のコマ撮りアニメというと、サウスパークの名コンビトレイ・パーカーマット・ストーンが製作した『チーム☆アメリカ ワールドポリス』を連想する。あちらは四面楚歌待ったなしのだが、こちらはそういったものとは無縁の一途な男のラブ・ストーリーである。

 小難しい映画というのは厄介だ。どんな映画でも何度か見直せば、作者の意図が読み解けていくものだが、そんな余裕も興味も無い時がある。本格的で妖艶で顔から汗が吹き出そうなほどリアルな性行為の場面や喜怒哀楽の微妙な変化が非常に丁寧なことは、予告編だけでも十分理解できる。しかし、それらが何を意味するのか・物語にどう影響したかは、英語字幕版では全くわからなかった。幸いにも本作には日本語吹き替え版が存在したため、話半分にもう一度観ることにした。

 本作は「マルコヴィッチの穴」「エターナル・サンシャイン」などの脚本家として知られるチャーリー・カウフマン監督によるストップモーション映画で、アカデミー賞アニメーション部門にノミネートされた作品。アニメには本来蚊帳の外の人材が生み出す世界観は何かと複雑になりがち。コマ撮りのぎこちなさを世界観全体を強調させた傑作『ファンタスティック・MR.FOX』のような産物なら大歓迎だったが、こちらはそうはいかなかった。

 まず、物語のカギを握る伏線や暗示で埋め尽くされており、しかもその殆どが然りげ無いのだ。人気作家の主人公マイケルの行く場所には、全て同じ顔で同じ声をした人間たちが大量に現れる。主人公はこのように【フレゴリの錯覚】という妄想の一種に巻き込まれるだが、それをはっきりと暗示してくれるのは、彼の宿泊先のホテルの名前が最初で最後。大半の登場人物の声が男女関係なく統一されていることにも、この現象に起因しているものの、分かり辛いうえに納得しても、コマ撮りの撮影方式と相互に作用する要素であったと感じられなかった。

 勿論、『チーム☆アメリカ』のような冗談交じりのセックスでなく、正真正銘のねっとりした69の場面は、コマ撮りの違和感の無さに思わず目を背けたくなるほどリアルだった。R指定故の刺激的な場面のアニメーションは見応えも抜群で、そこで大変丁寧に撮影していることが伺える。だけど、作品内に些細なメッセージを大量に盛り込むせいで、注意して、神経を尖らせて監視するように見続けないと、どういう状況かわからなくなってしまう。

 作者の意図を読み取りづらく、気軽に見るには辛い一作。

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