私とカートゥーンと鈴と。: ピーターラビットと仲間たち Peter Rabbit

ピーターラビットと仲間たち Peter Rabbit

ピーターラビットと仲間たち
The World of Peter Rabbit and Friends
1992-95 (英) 89/100

原作 ビアトリクス・ポター
脚本 ビアトリクス・ポター、ダイアン・ジャクソン
テーマ曲 Colin Towns
製作 TVC London、フレデリック・ワイン(出版社), BBC,ポニーキャニオン,フジテレビジョン

 ソニー・ピクチャーズ・アニメーション(SPA)が実写版ピーターラビットなるものを製作したとのこと。


 100年以上の歴史を持つ不朽の名作を米国主導で製作した挙句、ピーターラビットをお祭り男のような芸能人にしてしまうのは、言語道断「圧倒的な知名度を持つ原作を前にして、わざわざ変化球を投げてどうすんだよ。」と言いたい。今迄散々繰り返してきた失敗の方程式を、本作で実行してしまうのは悲しすぎる。
 映画としては面白そうだけど、これはもう別物でしょう。まあ、どうせ黒字だろうけどさ...

 ということで今回は、実写でも、CGアニメでも、バレエの演目でもないアニメ版のピーターラビットの紹介と感想。

※個人的に雰囲気がOPより伝わると思ったのでEDで
エンディング



 本作品は実写の寸劇から始まる。ウサギに代表される動物達や、ポター氏の暮らす英国の田園風景が映る世界から始まる前座は、アニメの導入として完璧。

 原作者が冒頭と終盤に登場し、ピーターラビットに代表される動物たちのお話を経験談のように語らせる演出は文句の付けようがない。絵本の世界にただ没入させるのでなく、"登場人物達が現実のどこかに存在する"ように思わせているのがいい。彼等に会えることはないけれど、田舎の何処かにはいる。まるで、日本のトトロのような存在。



 英国の長閑な田舎で繰り広げる動物達の日常は、自然界の現実をありのままに伝えている。子供から見れば残酷で辛辣で救いのないように見える時もあるけど、それくらいの毒々しさはむしろいい薬。児童向けと認識された作品群が、時が進むに連れて毒々しさを排除するこの御時世なら特にそう。

 アニメーションは原作に忠実。まるで絵本から飛び出て来たかのよう。担当したのは、アニメ版『スノーマン』で一躍脚光を浴びたアニメーション監督ダイアン・ジャクソン。そして、イエローサブマリンやスノーマンで実績をあげた名スタジオTVG。本編では原作の牧歌的な水彩画の挿絵を忠実に反映している。特に、背景については申し分ない出来。

 映像化されたのは下記の9つ。
・ピーターラビットとベンジャミンバニーのおはなし 
・グロースターの仕たて屋のおはなし
・ティギーおばさんとジェレミー・フィッシャーどんのおはなし

・こねこのトムとあひるのジマイマのおはなし
・ひげのサムエルのおはなし
・こぶたのピグリン・ブランドのおはなし

・フロプシーのこどもたちとのねずみチュウチュウおくさんのおはなし
・キツネどんのおはなし

・2ひきのわるいねずみとまちねずみジョニーのおはなし

 お勧めはあひるのジマイマのおはなし

 卵を中々孵せないあひるの奥さんが主人公のこの話。うさぎ達もそうなのだが、ポター氏の作品に登場する草食系は何かと能天気な性格が多く、捕食者が登場する話は毎度ハラハラさせられる。家鴨をありつこうと目論む狡猾な狐は紳士的で、正直憎めない。そして、狐と家鴨の会話を聞いた犬が家鴨を何とか護ろうと、狐を追い払う準備を始めていくのだが、その展開が衝撃的。

 実写版はどうなることやら...


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