私とカートゥーンと鈴と。: トゥーン・スタジオの思い出 Disney Toon Studio

トゥーン・スタジオの思い出 Disney Toon Studio


 ジョン・ラセターが現場を離れた時点で、こうなることは薄々わかっていたけれど....

 【ディズニー・トゥーンスタジオ 閉鎖へ】


 【ディズニー・トゥーン・スタジオ】とは、M・アイズナー体制時代にTVアニメ業界へと進出によるアニメ映画への需要に応じる形で設立された映画部門で、2003年のディズニー再編成により現在の名称に改名しました。

 アイズナー時代は、短編やTVアニメの劇場用作品を主軸に公開しディズニー本社を影で支えました。その後2006年にCEOがボブ・アイガー氏に交代するまで、『シンデレラ』『リトル・マーメイド』等のディズニー・クラシックスの続編の乱発していたので。、ディズニー作品全体の商品価値を徐々に落としていきました。

 アイズナー引退後、現CEOとジョン・ラセター氏の働きで低品質の続編の量産を中止することを発表。その後、ピーターパンのティンカーベルを主役に添えた『ティンカーベル』シリーズや、カーズのスピンオフとして誕生させた『プレーンズ』シリーズといたスピンオフ作品を念頭において、映画製作を続けていました。

 しかし、ジョン・ラセターのセクハラ騒動により作品の創作を仕切る存在が消え、先行き不透明のまま、スタジオ自体が閉鎖となりました。





 思えば、2015年の『プレーンズ2』が興行的にコケてからというもの新作が公開されなかったのだから、当然の結果なのだろう。そもそも、OVA主体の子会社に劇場用アニメを要求していたのが無茶な話なのである。

 妖精が活躍するファンタジーな世界が舞台の『ティンカー・ベル』に、メカ大好物の少年を取り込んだ『プレーンズ』といった具合に、映像そのものよりもマーチャンダイジングに重きを置くビジネスモデルは、"マウシュヴィッツ"と謳われたアイズナー時代から変わることはなかった。質の良い作品を作ろうと努力する姿を見せても、【トゥーン・スタジオ】はディズニーのちょっとした小遣い稼ぎの場でしかなかった。

 それでも、2・30代のディズニーアニメ好きにとっては表裏一体の関係にあった。レンタルビデオ店やスーパーに赴けば、DVDやビデオ棚の前にずらりと並んだディズニー作品があり、"ディズニー"ブランドに疑いを持つことなく、続編をレンタル・購入した経験が少なからずあるはずだ。



 限られた予算と時間で製作する故に、作品の質が前作に比べて圧倒的に劣るものも多かったが、決して馬鹿には出来ない秀作や話題作もあった。

 というわけで、今回はトゥーンスタジオ作品の中でも特に気になったものを紹介。(ムーラン2を除いた長編全46作品から抽出)


グーフィー・ムービー ホリデーは最高!
  

 個人的トゥーンスタジオ最高傑作。

 おとぼけパパのグーフィーと彼の一人息子の小学生・マックスが主役のTVアニメ『パパはグーフィー』。その成長後を描いた続編的立ち位置にある劇場用アニメ。日本ではビデオスルーだったが、欧米・欧州では劇場公開された。(同時上映は『ミッキーのアルバイトは危機一髪』) 高学生と父親という構図で人間ドラマが繰り広げられるのだが、グーフィーの第一印象でもある間抜けな姿に徹することなく、"子煩悩な父親"として描くことで、自然な人間ドラマとして成立させている。

 なお、舞台は犬しか登場しない世界ではありません。

101匹わんちゃんII パッチのはじめての冒険
 

 ディズニー・クラシックスの続編で唯一、本家"より"面白くなったと感じた一作。子犬たちがTVに釘付けになっていたTV番組『サンダーボルト・アドベンチャー・アワー』のオーディションに潜り込んだパッチが繰り広げる大騒動を描いている。

 大抵のディズニーの続編は理由付けが曖昧だが、本作は極めて自然でいて押し付けがましくない。アニータとロジャーがロンドンへと引っ越す場面から始まっており、無理やりな後付設定もない。キャラデザや作画も安定しておりそれほど違和感はない。

 大勢の子犬たちを可愛くみせる演出や、犬仲間で困難を切り抜ける巧みな連携プレイは前作には劣るものの、破茶滅茶ぶりはこちらのほうがウワテだ。クルエラの狂信的な毛皮愛も健在で、代わりの趣味を模索するところから徐々に狂っていく彼女の姿は必見。

ライオンキング3 ハクナ・マタタ(1 1/2)
 
 ディズニーのTVアニメの一つ、『ライオンキングのティモンとプンバァ』を劇場用にスケールアップしたような本家ライオンキングの自虐パロディ。ライオンのシンバを影で支えた名コンビの友情物語が一応の本筋となっているが、基本的にはギャグの応酬。数々の名場面に泥を塗る彩る彼らの理想の我が家探しは、アホらしくて素直に笑える。

 1と比較しても遜色ない雄大な映像におちゃらけたお話を挿入するのが無粋と感じない方にはお勧め。ラストシーンの粋な演出は"ティモンとプンバァ"というコミックリリーフだからこそ出来た締め括りと言えよう。

シンデレラIII 戻された時計の針
 
 物語に現実味と説得力と必要性が備わったディズニー版『シンデレラ』の続編。2はオムニバス形式の後日談というだけで、2の事前予習は必要なし。

 1作目や2作目のシンデレラは、自分から行動することはなく、目の前に人生の転機をただ待ち侘びる添え物のような女性だった。しかし、本作では義理母の復讐劇に立ち向かうという彼女の葛藤を映し出すことで、シンデレラがディズニーが示す現代的な女性像に近いものとなっている。魔法に頼ることなく、トレメイン婦人を倒そうとする彼女の姿はまるでアクション映画のよう。

 そのため、"信じればきっと叶うもの"というシンデレラのテーマを根底から覆した一作となっており、清楚で古典的な"寓話"を待ち望む方以外にはお勧めだ。

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