私とカートゥーンと鈴と。: Hervey birdman, Attorney at law 弁護士はUバード

Hervey birdman, Attorney at law 弁護士はUバード

Harvey Birdman, Attorney at Law
1999-2005 TV-MA (米) (TV-14)
65/100

 映像の使い回しは、手抜きの代名詞として認識されることが多い。多大な資金と労力が付き纏うアニメでは尚更だ。総集編・回想・単純な繰り返しとその用途は様々だが、過去の映像から全く新しい作品を作るということはあまりない。更に、そういった方法で驚異的な成功を収めた作品となるとほんの一握りだ。

 それにも関わらず、アダルトスイム(AU)の初期の作品群はその方法を乱用したアニメばかりだった。AU初期の代表作"Space ghost Coast to Coast" は宇宙怪人ゴーストが主役のトークショーだ。かつて敵・実在の芸能人達が和気藹々と冗談交じりに、しょーもない語り口で談話するチープさ全開の本作は、物珍しさもあってか10年以上に渡って愛されたというから驚きだ。

 低予算の深夜番組とは思えないほどの成功によって、自社資産の懐かしのキャラを再利用する動きは加速していき"Sealab 2021" "the brak show"といった作品が誕生していった。その内の一つが今回紹介する"Harvey Birdman Attorney at Law"だ。

 1970年代に活躍したハンナ・バーベラを代表するヒーロー『電子鳥人Uバード』は、かつては相棒スーパーコンドルと共に果敢に悪と立ち向かう熱血漢だったが、現在ではなぜか弁護士稼業を勤しんでいる。“ペンは剣よりも強し”といえど、仮面だけは脱がないホワイトカラーなんて姿はあまりにも滑稽だ。

まあ、それ以上に本編が混沌としていて滑稽なのだけれど。



 メインの登場人物のデザインをUバードからの引用しているだけで、個々の性格や過去作との接点は見た目だけ。本作ではUバートことハーヴェイ・バードマンは法律事務所で弁護士として勤務している。そんな彼のもとにはハンナ・バーベラ往年のスター達が登場する。彼らに弁護を任されたバードマンは、無罪を勝ち取るために熱弁を振るう内容となっている。但し、彼本人は弁護士としての才能は無きに等しく、実際勝ち取ることがあっても散々な結果が多く、総合的には負けている印象が強い。




 本作に登場するハンナ・バーベラのスター達は、まともじゃない。クルクルのようにゲストキャラの仕草を誇張して犯罪を絡みつけていたり、変にダークな設定で無理やり悪党に仕立て上げていたりともう滅茶苦茶。だけど、キャラ愛に溢れた18禁同人誌のようなネタだらけなのが最高に笑えるのだ。

 一例として挙げた上記のビデオでは、彼は、秘密探偵クルクルの弁護を担当しており、「彼の行動は決して露出狂でなく、ひみつ道具を取り出す際に必要不可欠な行為だ」と弁護するものの、相手側の編集丸出しの実写映像により敗訴する姿が映っている。その他にも、惑星を壊滅に陥れたジョージ・ジェットソンに、マリファナ所持容疑で拘束されたシャギーとスクービーといった具合に皆ゲストキャラが悲惨な姿となってお目見えする。

 本編の映像は下手すれば自主制作でも成立するほど、動きがチープだ。ただ、それが意図的に粗悪な印象を与えており、唯一無二の雰囲気を醸し出している。また、一応の起承転結はあるものの、その構成はまとまりがなく、かなりシュールだ。日本でも、家庭教師のトライがハイジの映像に魔改造を施したCMが放映されているが、本作はその枠を世界名作劇場にまで広げて、オンジのペド疑惑といった際どいネタを投入するといった感じだろうか。

 こんなカオスな作品なのだからハンナ・バーベラの二人組が他界した後に製作したかと思えば、なんと当時は二人とも御存命だったというから驚きだ。更に驚きなのは、本作のメディアミックス作品だ。本作はカプコンからゲームが発売されており、その内容がモロ"逆転裁判"なのだ。

 
深夜放送のおちゃらけた熱気を懐古厨に向けた一作。

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