Disney Features that were never released

光あるところに影あり、未完成に浪漫あり。
『塔の上のラプンツェル』のスタッフが送る『ギガンテック』"Gigantic"の製作中止の知らせや、ディズニーが今後公開する多数の続編・実写化作品の予定を見ていると、過去に頓挫した企画を再起動して欲しいと思う今日このごろ。
今回はお蔵入りとなったディズニー作品でも、特に興味の湧いた作品の紹介。
(※邦題に関しては原作の題名・原題の直訳で、公式の邦題が付いた作品は全く無いので悪しからず。西暦は製作中止が決定した年。)
妖精の王 King Of The Elves 2013年



2008年4月に開始したものの製作は難航し、2009年12月に棚上げ。2010年7月に『ボルト』のクリス・ウィリアムズが監督することが報じられ、2011年6月にはマイケル・マーコウィッツが新たに脚本を執筆していることが判明した。

妖精×中年男性なんてファンタジーアニメなら、物珍しさだけで興味のそそる内容なのになあ。ディズニー映画は妖精(Pixie)はいても、エルフやドワーフのような精霊のキャラクターは少ないし、もし完成してたら貴重な存在だったのかも...
ワイルド・ライフ Wild Life 2000年
※2016年に公開されたCGアニメ『ロビンソン・クルーソー』とは一切関係なし。

ウォルト・ディズニー・カンパニー自身で製作を完了し、公開した最初のCGアニメは2005年公開の『チキン・リトル』である。しかし、企画されたのはこちらが先だ。本作は、『マイ・フェア・レディ』の原作である1913年に発表された戯曲【ピグマリオン】をベースに、70年代のポップカルチャーの影響を受けた芸術色の濃い映画になる予定だった。
監督は、ディズニー退職後に大手スタジオの紛い物を専門に手がけることになるハワード・E・ベーカーと、ディズニー映画『ヘラクレス』のヒュドラが登場する場面を担当したロジャー・グールド。本作は、CGと大型の模型でリアルな映像を生みだした『ダイナソー』とほぼ同時進行で製作されていた。
内容は、ライバル店の影響で閑古鳥が鳴くナイトクラブの女性の経営者レッド・ピッツァンが、かつてのカリスマ的栄光を取り戻すべく、動物園の人語を話す不思議な象と協力して客を引き戻そうとするといったもの。

本作の問題は、時間の経過と共に『ロジャーラビット』や『スプラッシュ』のような大人を対象に絞ったタッチストーン・ピクチャーズ向けの映画に変貌したことだった。『ノートルダムの鐘』におけるガーゴイルや、『ムーラン』におけるムーシュのようなコミックリリーフを登場させる余裕もなく、家族連れの客が見込めないR指定寄りのPG映画を、ディズニー印で公開する訳にはいかなかった。90年代後半から製作を続けていたものの、結果的に棚上げされることなくお蔵入りとなった。
なお、仮に本作が完成していたら、ディズニー映画のCGアニメ部門が誕生し、手描きとCGを交互に製作する土台が完成したという。この映画が完成していれば、間に合わせでCGを採用した『チキン・リトル』も生まれなかったのかも...?


内容は、地球でないどこかの惑星に住む両性具有で青い手足を持つイモリが、科学者のブルックと共に科学の力でスピーシーズの存続に奔走し、科学でなく愛の力で、難問題を解決するといったもの。
2008年4月に題名未定の新規作として発表し、2012年までに公開する予定だったものの結果的にお蔵入りとなった。中断した理由等の公式発表は伏せられているものの、20世紀フォックス有する【ブルースカイ・スタジオ】の長編作品『ブルー 初めての空へ』と話が酷似しているのが直接の理由だと言われている。

イエローサブマリン Yellow Submarine 3D
2012年


3Dでリメイクする以前にサイケデリックなデザインを放棄した時点で、企画を中止すべきなんだよなあ... ただ、ビートルズのメンバーが気持ち悪いぐらいにリアルになった姿は少し気になるところ。
かいじゅうたちのいるところ
Where the Wild Things are 1983年

その後、彼は『いさましきちびのトースター』の監督として選ばれる。そこで彼は、前述の技法を全編に採用することを企画会議で発表するものの、その直後にラセターはディズニーを解雇される。
ジョン・ラセターが制作したテスト映像はその表現技法を解説する際に利用されただけで、製作に活かされることなく、企画はお蔵入りとなった。なお『かいじゅうたちのいるところ』のアニメ化作品は、50年代のトムとジェリーを中心に担当したジーン・ダイッチ氏による原作の作風を重視した短編アニメのみ存在する。
原作絵本の絵柄から大きく逸れたディズニーチックな作画の場合、どんなオリジナリティが生まれたのかが気になるところ。
ディズニーやピクサーには、続編中毒に陥らずに完全新規作を製作してもらいたいものです....
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