私とカートゥーンと鈴と。: 全年齢版ロボコップ。『ガジェット警部』 Inspector Gadget

全年齢版ロボコップ。『ガジェット警部』 Inspector Gadget

ガジェット警部 Inspector Gadget
(加主導 日台米合作) 1983~1986(米国) 1989~1993(日本) 60/100
引用)IMDBから
原案 ブルーノ・ビアンキ
企画 ブルーノ・ビアンキ、アンディ・ヘイワード、ジーン・キャロピン
製作 ジーン・キャロピン・パトリック・ロバート
製作総指揮 アンディ・ヘイワード、ジーン・キャロピン、片山 哲生
監督 比留間敏之、レイモンド・ジャフェリス、デイブ・コックス、ケン・ステファンソン、エドワード・デイビット
音楽 サヴァン・レコード
音楽担当 シュキ・レヴィ、ヘイム・サヴァン
2シーズン 86話

制作スタジオ DiCオーディオ・ビジュアル(ディック・エンターテイメント)、Lexington Broadcast Services
シーズン1のみ ネルバナ、フィールド・コミュニケーションズ、東京ムービー新社
シーズン2のみ ワン・フィルム・スタジオ
配給 DHX メディア

オープニング


 本作をリアルタイムで視聴した日本の子供達は間違いなく富裕層。というのも、BS放送が試験的に導入された1989年に設立されたNHKBS2で放映されていたからだ。バブル絶頂期の日本人は地上波放送の番組で満足する方々がほとんどで、有料放送には懐疑的。しかも、【テレビは金を払ってまで観るものではない】という価値観の方が当時は余りにも多かった。(今もそうだろうけど)

 放送法により強制的に加入されるNHKだが、BS放送開始当初は衛星放送の有無の選択が容易だった。そのため、NHKを視聴していても存在に気づかなかった少年少女も多かったはず。BS2の番組枠として誕生した【衛星アニメ劇場】のライブラリの初期を飾った初代『ガジェット警部』はそんな敷居の高さと日本国内の衛星放送の黎明期に放映されたこともあって、現在では忘れ去られた存在となっている。

 但し、本作と直接関わる劇場版ガジェット警部こと『最後の事件簿』やCGアニメのリメイク版は、ネットフリックスやHulu等のオンライン配信や有料放送局のカートゥーン・ネットワークで定期的に再放送されたこともあり、キャラクター自体は知っている方も多い。

 (投稿主は英語吹き替え版のみの観賞。日本語吹替版に関しては書きません書けません。)

 原案はフランス人アニメーターのブルーノ・ビアンキ。カナダ国内でフランス産バンド・デシネ原作のアニメを数本手がけた後、本作でキャラクターデザインと物語のご意見番として製作に参加。脚本はネルバナ社出身のピーター・サウザーが指揮を取る形でDICとの共同。そして、演出や動画作業は日本の東京ムービー新社と台湾のワンフィルムスタジオに委託。

 児童向けアニメの製作に意欲的だったディック・エンターテイメントの後ろ盾と、徹底した分担作業が功を奏し、本作は結果的にディック社の最大級のヒット商品となった。

 勧善懲悪の無難な子供向けアニメであるがゆえに、今となっては声優の演技や画風に惹かれることがない限り、わざわざ見直す必要はない。ただ、この分担作業がもたらした"恩恵"は特筆に値する。

 バナナの皮で転倒し瀕死状態となった主人公がサイボーグとして復活するという、悲劇と捉えるか喜劇と捉えるかが解りづらい設定を基本に展開される本編。体全体に小細工(ガジェット)を詰め込んだ縦長顔の刑事が、人語を喋る犬・ブレインと捜査を陰で誘導する少女・ペニーの手助けを借りて、悪漢を追い詰めるというのが全体的な内容。

 ガジェット警部は正直警官としての才能はなく、いつもドジを踏んでしまう。それを必死にカバーする相棒の姿や、彼が捜査の手助けをするために体から飛び出る"ガジェット"の活躍が本作の見所。フランス・カナダ人クリエイターが指示した演出や動画を、日本人や台湾人による脚色を堪能できるというのは中々ない。

 動画制作の外注する際、提示された画風とはかけ離れた状態では商品にならない。そのため、漫画絵と寸分違わなくなるか、作画が不安定な何かになる傾向がある。特に、東京ムービー新社は『バットマン』『タイニー・トゥーンズ』等で高品質の映像を提供しており、アメリカ側からの信用度が高かった。

 ところが『ガジェット警部』の場合、骨組みのデザインが当時の平均的なフランス産テレビアニメなだけで、アニメーションは完全に80年代の日本のアニメ調に仕上がっている。長期的に連載された原作がないことが、逆に上手く作用した結果と言える。

 なお、『ガジェット警部』という題名はNHK放映時に新規に名付けられた。アニメ関係者やDICの日本向けの宣伝広告ではこうなっている。

余談 日本語吹き替え版はこんな感じ。シーズン2第20話終盤
(吹替音源収録済みのDVD・ブルーレイが発売されたら削除します。)


英語版DVD
 

1 件のコメント:

  1. Amazon.comでは「Inspector Gadget Megaset」が送料入れて約4千円程度で売られています。リージョンコード1なので再生にはフリーソフトが必要です。一部の方からは「Inspector Gadget Saves Christmas」が入っていたというコメントもありました。

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