私とカートゥーンと鈴と。: 韓国産マスコット×ディズニー=....? 『プッカ(ディズニー版) 』 Pucca

韓国産マスコット×ディズニー=....? 『プッカ(ディズニー版) 』 Pucca

Pucca プッカ
2006-2008 (韓加合作) 55/100
原案 ブー・キョウン・キム、カルビン・キム
監督 グレッグ・サリバン、ジェイソン・シーッセン(シーズン2のみ)
OP&ED "Pucca Funny Love"
音楽 ハル・フォクストン・ベックト
製作国 カナダ・韓国
製作総指揮 クリス・バトルメン、ブレア・ピーターズ、マイケル・レケス (シーズン1)、マーク・ブーハジ (シーズン2)
企画 カーステン・ニューランズ(シーズン1) ロリ・ロジンスキ (シーズン2)
制作会社 Studio B Production  "VOOZ"ヴーズ キャラクターシステム
配給 ディズニー ABCテレビジョン(米国) DHX Media (全世界)
プッカ(明治のお菓子じゃねえぞ)

 "プッカ"というキャラクターを知っているだろうか。韓国へ観光する時、韓国人観光客のキャリーバッグを見ると頻繁に見かける中華娘。それがプッカだ。2000年に韓国のファッションブランド・VOOZ"ウーズ"が出した電子メールに添付する動くアニメのキャラクターとして採用されたプッカは、韓国国内を始めとして欧米欧州圏の広範囲で大ヒットした。それを境に数本のFlashアニメをインターネット上で配信し、その動きを更に加速させた。2003年以降は化粧品や衣服を主力商品とするウーズの広報活動に積極的に参加し、その認知度を高めていった。

①Flash版公式本編


 通信回線やインターネット環境の制限の中で生み出された『うる星やつら』の韓国版とも言うべきスランプスティックありきのラブコメディは、暇潰しにはもってこいの短編だった。記号的情報でデフォルメ化された表情や行動は徹底的にシンプルで、キャラクターデザインと上手い具合に溶け合っており、ダイアルアップ接続やADSLでネットに勤しんだ時代なら夢中で見ていただろう。なお、非常に単純な作りのために誤解を招く可能性があるので言っておくが、これは"Flashアニメであること"を忘れてはならない。

 インターネット黎明期のFlash作品はこれくらいが普通だった。本作が『菅井君と家族石』や、『クィアダック "Queer Duck"』、『小小系列 "Xiaoxiao"』、『ハッピーツリーフレンズ "Happy Tree Friends"』等の個人製作を主軸としたアニメであったことを忘れてはならない。

 ただし、テレビ画面に映る場合はその理屈は通用しない。

 こちらのFlash版は日本でも2002年頃にフジテレビ系番組のポンキッキーズにて『プッカとガル』という題名で放映された。未就学児から小学生を中心の番組とはいえ、無理矢理ナレーションや音楽を付け足すのはどうなのか。本作に関わらずFlashアニメ全体の問題なのだが、ブラウン管の画面に片隅に映るパソコンとは違い、大画面のテレビでは余計陳腐に映ってしまう。

 2004年にはウォルト・ディズニー・カンパニーとエージェント契約を結び、ヨーロッパをはじめアジアやアフリカなど約150カ国の進出に成功した。その結果誕生したのが、このディズニー版プッカである。

オープニング


中華娘の才能を極限まで高めたお堅い“戦略商品“

 本作はキャラクターを引用しただけで、実質的にはカナダ産アニメである。本作はJETIX向けオリジナル作品として制作されており、韓国で生み出された彼らが持つ独特のスランプスティックのお約束が全て払拭されている。まさに"ディズニー"らしい計画的商品と言えよう。

 と言うのも、そもそもJETIXというのはディズニーに毛ほども興味のない青少年の顧客を獲得するための番組枠。カッツェンバーグ時代に深く定義づけた“女性や子供向け”の殻を破るための存在。そこで放映された映像の大半が他社製品が権利買収した特撮やアニメで埋め尽くされていたのだ。

 スーパー戦隊シリーズを米国向けに“カルチャライズ”した『パワーレンジャー』に、Anime風フランス産手描き&CGアニメ『Codeリョート』、ステレオタイプ的米国文化に支配された女子高生のスパイ活動を描いた『トータリースパイズ』、ジャンプ・サンデー・マガジン等の日本の少年雑誌原作のアニメ、そしてマーベルコミックスの映像化作品等.... 日本人がディズニーと聞いて想像する世界とは真逆だった。そのため、ティーンエージャーに人気とあれば片っ端から採用され、無理矢理アメリカナイズされた作品も多数存在していた。ディズニー版プッカもその被害者の内の一人だった。

 テレビアニメに韓国一二を争うマスコットを採用する時点で、彼らの魂胆がバレバレなのが特に辛い。マイケル・アイズナー時代のディズニークラシックのOVAを彷彿とさせる当たり障りのない展開は非常に歯がゆい。韓国文化が生み出してきたスランプスティックを、カナダアニメの常識で尽く踏みにじられてしまっている。制作会社のスタジオBプロダクションが輩出してきたコメディ作品を観れば一目瞭然だが、どれもこれも作風を除けばどれもそう大して変わらないのだ。(MLPは例外)

 料理店の看板娘のプッカが忍者のガルに一目惚れし、熱烈な求愛行為に走る。その基本的な部分を軸に、Flash版のシンプルを彷彿とさせる軽快でスピーディな展開で笑わせようとしているのだ。まともな会話が存在しない原作に会話を追加したところで、別の魅力が誕生しなかったのが惜しい。トゥーン・ディズニー放映時に鑑賞していた頃でも、可愛らしいキャラクターが記憶に残るだけで、その他の要素は忘却の彼方へと消え去っていた。

 マーチャンダイジングありきの作品の典型例のような一作。

 余談
 2018年現在、VOOZ公式のプッカのYoutubeチャンネルで新作が随時無料配信中。そういえば、日本語版OPが肖像権の問題で、10年くらい前に何度かyoutubeで削除されてたけど、ボーカル担当ってそんな有名だっけ?

0 件のコメント:

コメントを投稿

人気の記事