私とカートゥーンと鈴と。: C調ミミズの救出劇第二弾。『アースワームジム2』 Earthworm Jim 2

C調ミミズの救出劇第二弾。『アースワームジム2』 Earthworm Jim 2

アースワームジム2 Earthworm Jim 2
1996(米)
開発 シャイニー・エンターテイメント
販売 プレイメイツ・エンタテインメント
デザイナー デビッド・ペリー、ダグ・テナペル
アーティスト ニック・ブライト
作曲者 トミー・タラリコ

 ゲームに留まらず、映画や小説のオマージュも格段に増えたアクションゲームの第二弾。本国アメリカではスーパーファミコン、メガドライブ、プレイステーション、セガサターン、PC等幅広いハードに登場。ゲーム機によるゲーム内容の違いは、音源による曲調の変化やステージ案内の画面、背景の書き込みが変更されたものの、ゲームプレイに関しては大きな変更はない。

 前作の特徴をほぼそのまま継承したものの、良くも悪くも典型的な続編となっている。

 前作での遠距離型の武器はプラズマブラスターとメガプラズマの二種類。本作ではそれに加えて追尾型のホーミング、近距離型のエレクトロガン、『洞窟物語』のあれ以上に役立たずなジョークアイテムのバブルガン、三方向に連射できるスリーフィンガーガンとバラエティに富んでいる。メガドライブ版ではコントローラーの仕様上武器変更ができないのがネックだが、他機種版では無駄撃ちすることなく、武器の変更が可能だ。

 また、ムチとは別に前斜め方向に飛ばすアイテムが登場した。その名も"Snot"スノット。徹底的に下品なことはとりあえず置いといて、彼の役目は粘液がへばりつく壁の移動を軽快にすること。終盤になるに連れて彼の役目は重大なものとなり、最終ステージでは彼抜きでステージを通過するのは困難を極めるだろう。

 残念なのは全体のアニメーションのクォリティ。2自体は非常に高品質で、1と同様に"アニメをそのまま縦横無尽に操作する"感覚が味わえる。ただ、何というか、2はどうも縮こまった印象だ。本作の2は、1の豪華版(PC版)と同様のアニメーション環境で製作されたものの、キャラクターの枠線が曖昧なコマが多く、ミミズが地面を這うようにヌルヌル動く初代で体感した爽快感や感動が味わえなかった。それでも作品に挿入された馬鹿馬鹿しくも巧妙なユーモアは、1と競うほどエンタメ性に富んでいるのだが。

12秒~28秒辺りが初代のアニメーション。29~47秒辺りが本作。



Anything But Tangerines

 みかんには程遠い惑星。"Anything-But-Tangerines"  殺人金魚のボブが前作から再登場。頭上から降り注ぐ年老いた家政婦達、養豚場で暮らす豚の運搬、憎らしい位置に配置された電気椅子。思いつきで投入されたようなネタの嵐は序盤から。固定概念をかなぐり捨てて、この素っ頓狂な世界観を楽しもう!



Lorenzen's Soil

 ステージ名の元ネタは1992年公開の映画『ロレンツォのオイル』とミミズの故郷こと"土壌"から微生物を食べ、老廃物を撒き散らして土の状態を良好に保つのがミミズの役目。だからといって、二足歩行で筋肉隆々のジムにそんな常識は通じるわけがない。エレクトロガンで、周囲から湧き出る人間の赤ん坊を担ぐ大勢のアリを倒しつつ、土の塊を掻き分けて地中の最深部を目指そう。ボスは一輪車に跨るウジ虫ことサナギのペドロ

The Villi People
 "腸絨毛の人々"。 小腸内壁の輪状ひだに存在する突起に囲まれたステージ。ピンボールで配置される障害物で弾かれながら、触手まみれの洞窟を突き進もう。画像に映るサンショウウオはそれに変装したジム。迷路のようで意外と単純な経路を突き進むと、終盤で唐突にクイズ大会が始まる。多種多様な惑星に移動するという設定を飲み込んでも、このステージのシュールさを覆い隠すことは不可能。題名の元ネタは1970年代に活躍したディスコグループのヴィレッジ・ピープル。

The Flyin' King
クォータービューで展開するジムの空中浮遊。前作のバンジージャンプで雪辱を果たすべくヨーダレー少佐"Major mucas"が再登場。彼には銃撃も生身の体当たりも通用しない。唯一の対抗手段は気球に吊るされた爆弾を彼にぶつけること。それを妨害するのは、海賊船から大砲で打ち上げられた大量のおデブさんと加速装置。腐海よりも毒素が滲んでそうな粘液まみれの陸地の気持ち悪さと数々の敵に耐えきれれば、楽々とクリアできるだろう。間違っても"BOOM"に銃弾を当てないように。

Udderly Abducted

 "Udderly Abducted" 【すっかり搾られて、誘拐されて】本ゲームには欠かせない牛さんが大活躍するステージ。ジムの行路を封じる納屋の扉を開放させる為には牛乳が必須。道中でジムの邪魔をする搾乳器を取り付けたUFOやザコ敵に対処しつつ、牛を目的地まで担ごう。前作で姫君の救出を阻害し、フラッシュバックの如く記憶に残る、愛嬌たっぷりの牛さん。開発陣の牛に対する異様な執着心は何なのだろう?

Inflated Head

 "Inflated Head"【膨らんだ頭】ハリウッドのチャイニーズ・シアターを彷彿とさせるお祭りめいたステージ。前作でジムに9回殺害された猫のイービルが再登場。ジムの頭に気体を注入してステージの頂上を目指そう。柔軟性抜群のジムの頭なら問題なく上昇できるものの、イービルは容赦なく妨害してくる。豆鉄砲や鋭利な猫の爪でジムの頭をかち割ろうとする彼の猛攻に注意を払えば、体力を気にせずに目的地にたどり着けるだろう。

ISO 9000

 元ネタは国際標準化機構"International Organization for Standardization"ISO9000(リンク先はwikipedia)。ゲームでは極端化した品質管理に追われる企業の体質を茶化したステージとなっている。膨大な書類で固められた背景に、アチラコチラに点在する紙幣の山。ワーカーホリックの大好物を目の前にした子供たちが、その意味を理解することはまずないであろう。各所に点在する業務用タンスを裂けつつ、ネズミのカゴを誘導して、馬鹿でかい印刷機を動かそう。そして足の生えた扉を倒して、このステージから脱出しよう。

Level Ate
 8つ目のステージだから、レベル"エイト"Eight=Ate(食べた) ということで、このステージに登場するのは全て食にまつわる物体。サラミの地面にグリルの背景。そこに散らばる焼き目のついたパティ。ボス敵のスライスピザなど、プレイヤーの腹を空かせる敵キャラがてんこ盛り。スティールパンで奏でられた"Flyin' King"と同様の愉快な曲調は、最終ステージ手前の最後の休息を喚起しているのだろうか?

See Jim Run, Run Jim Run


 最終ステージは宿敵・サイクロウの長距離走。ステージの右端に相手よりも先につくことが目的。右端へと吹き飛ばしてくれるアイテムやジムお得意のムチと相棒をフル活用して、姫君の待つ右端へと突き進もう。電子情報網の微かに輝く光と、プラズマボールっぽい水晶玉が点在する黒と青のコントラストが魅惑的。



Puppy Love
 前作のアンディ・アステロイド(1)に近い役割を持った無駄に長い持久戦。サイクロウが投げ飛ばす大量のピートの親戚たち、ボーナスアイテム、爆弾を右往左往しながらトランポリンで届けよう。テンポよくゲームプレイを進行しようと努力しても、こいつのせいで水の泡となる。(1)のように惑星から惑星への移動という納得のいく設定であればまだしも、こいつの場合はタルい、長い、クドいの三拍子四回仔犬を潰れると右側のピートが逆ギレしてジムをボコボコにし、爆弾に気づくとサイクロウ側に投げ込む演出も何回も見ていると次第に飽きてくる。

 隅から隅までアメリカンな雰囲気を堪能できるアクションゲームが好きなら、迷いなくお勧めできる一品。日本語版の家庭用ソフトは既に入手困難。手軽にプレイしたい方にはSteam版をどうぞ。

  

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