私とカートゥーンと鈴と。: へんてこで不思議な粘土の世界。『クレイマン・クレイマン』 Neverhood

へんてこで不思議な粘土の世界。『クレイマン・クレイマン』 Neverhood

クレイマン・クレイマン Neverhood
1996 (米) 
開発 ネバーフッド
発売 ドリームワークス・インタラクティブ
デザイナー ダグ・テナペル、マーク・ロレンゼン
アーティスト マイク・ディーツ、エド・スコフィールド、マーク・ローレンツェン、スティーブン・クロウ
脚本 デールローレンス、マーク・ローレンツェン、ダグ・テナペル
作曲者 テリー・スコット・テイラー

あらすじ

  •  その昔、ネバーフッドと呼ばれる世界に王国が誕生した。しかし、忠実な家来は突如として王はを裏切り、王が不在のまま世界は後輩の一途を辿っていた。その頃、どこかの家で目覚めたクレイマンは右も左も分からないまま、冒険へ旅立つのだった...
不定形の集合体を頻繁に見かける不思議な世界・ネバーフッドは、当に未知の惑星。想像を絶するクリーチャーたちや舞台は全て粘土。クレイアニメーションは一般的に粘土の造形を崩さずに撮影する為に、針金等の棒状の素材でキャラクターを固定させる。しかし、本作の画面上に映る物体は"全 て 粘 土"。補強材や芯を一切使用せずに総量4トンもの粘土で、このネバーフッドは創造されているのだ。

 右も左も分からない不思議な異世界を想像した時。思い浮かぶのはオーケストラが演奏しそうな豪勢なクラシック音楽や、そよ風がなびく静かな環境音、または神話の世界へ誘ってくれるEnyaのような楽曲だろう。しかし、この『クレイマン・クレイマン』はそういった幻想をぶち壊す予想外の物を用意している。

 それがこちら。

 アメリカのシンガーソングライター、テリー・スコット・テイラー。彼が口遊むボイスパーカッションからなる腑抜けた効果音。やる気を削ぎ落とすようなのんびりしたテンポ。一日中暇で寝っ転がる時には最適ではないだろうか? どこかとぼけてて、フザケてた曲調は路上ライブで試聴する音楽を想起させてくれるだろう。

 また、メインデザイナーのダグ・テナペル氏のキャラクターが凄く魅力的。粘土キャラを前提としたデザイン。ひっついたり、離れたり、潰れたり、砕けたり.... と激しい動作に伴う痛みでもスランプスティックとして気持ちよく楽しめる。『レックス・ザ・ラント』のような意味深な素振りで不安になることもないし、終盤まで引きずって驚愕させること無いのが素晴らしい。『アースワームジム』でもそうだが、自由奔放で隅から隅まで"アメリカン"だと実感させる登場人物や世界観には思わず舌を巻く。爆裂四散した猛獣の肉片で食欲を発散させるといったキツいユーモアでさえ、カートゥーン特有の演出として認識できるのはその恩恵と言えるだろう。



 理不尽な難易度でプレイヤーを飽きさせることの多いポイント・アンド・クリックゲーム(1)だが、本作の謎解きは知識よりも発想が重要。与えられるヒントも、文字だけでなく映像として丁寧に説明するので、非常に参考になる。但し、試行錯誤が必然のゲームジャンルに慣れない方にはお勧めできない。

 PS1時代のムービー演出は容量の問題やその過渡期にあったせいか、蛇足だと見飽きることが少ない。個人的には謎解きとムービーのバランスが丁度良く、操作性に苛つくことがなかった。

 日本語版ではレベルファイブの創設者の日野晃博氏が在籍していたリバーヒルソフト監修の元、非常に親しみやすいローカライズでプレイできる。主人公のクレイマンに関しては、ひょうきんな外見には似つかわしくない声色なので、肩透かしを食らうかもしれないが...

 なお本作には2つの続編が存在するものの、片方はアクションゲーム、もう片方はクレイの欠片もないスポーツゲームなので注意。
  

0 件のコメント:

コメントを投稿

人気の記事